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パーソルワークスデザインと日立システムズ、コンタクトセンターの運営課題を解決するナレッジマネジメントツールを共同開発

ナレッジマネジメント手法「KCS」を活用

 パーソルワークスデザイン株式会社と株式会社日立システムズは1日、コンタクトセンターの運営課題を解決するナレッジマネジメントツールを共同開発したと発表した。同ツールは、米国の非営利団体「サービスイノベーションコンソーシアム」が提唱するナレッジマネジメント手法「Knowledge-Centered Service(KCS)」に準拠しており、コンタクトセンターにおける業務知識の共有促進や属人化排除による業務効率化、対応品質向上を支援するという。

 KCSは、サービス組織がサービス範囲の拡大や、その役割・機能の複雑化に対応するために作られた、ナレッジマネジメントのベストプラクティスに基づいた方法論。

 KCSでは、問い合わせを受けた製品や対処方法などについて、オペレーターに知識や経験がない場合、ナレッジをデータベースから検索し、ほかのオペレーターが過去に対応した実績を活用して回答する。その際、新たな対応が生じた場合は、データベースを最新の情報に修正したり、実績が見つからなかった場合は新規の対応をナレッジとして登録したりすることで、常にデータベースを最新の状態で活用し、コンタクトセンターの対応品質を維持するしている。

 しかし、従来の運用支援ツールでは、KCSを取り入れる際にカスタマイズが必要となるほか、運用面では、対応履歴を管理する「問い合わせの管理」とナレッジを追加・修正する「ナレッジの管理」で管理プロセスが分かれており、オペレーターの作業負荷軽減が課題になっているという。また、オペレーターがナレッジをデータベースから検索する際のヒット率向上や、ほかのオペレーターが対応した実績が反映されるまでのタイムラグなどの改善が求められているとのこと。

 そこでパーソルワークスデザインは、コンタクトセンターサービスも手がけるITサービス企業の日立システムズと共同で、KCSに特化したナレッジマネジメントツールの開発に取り組んだ。作業にあたっては、KCSに関するノウハウを持つパーソルワークスデザインが監修を担い、システム開発力とコンタクトセンター業務に関する知見を兼ね備えた日立システムズが開発を行っている。

 開発されたツールは、従来、KCSの運用を支援するツールで個別に管理されていた「問い合わせ管理」と「ナレッジ管理」を統合し、2つの管理プロセスを同一ツール内でシームレスに実施可能なため、オペレーターの作業負荷軽減を支援できる点が特徴。また検索エンジンについても、パーソルワークスデザインのノウハウに基づくチューニングとAI技術の活用により検索精度を向上させ、問い合わせ対応中の短い時間でも、これまではヒットしなかったナレッジも表示されるようになったとした。

 こうした仕組みにより、ほかのオペレーターが対応し、作成・修正されたナレッジを即座に再利用できるので、さらなる業務知識の共有促進や属人化排除による業務効率化、対応品質向上を支援するとしている。

 パーソルワークスデザインは今後、自社のヘルプデスク/コンタクトセンターにおいて活用するだけでなく、日立システムズのコンタクトセンターにおいても、このツールを活用し、KCSに基づいた運営を行っていく予定。またパーソルワークスデザインは、ヘルプデスクコンサルティングサービスの一つとして、同ツールを活用したKCS導入支援サービスを提供するとのことだ。