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シュナイダーエレクトリック、関西国際空港のサーバールーム再構築で空調効率最大化・消費電力効率化を実現

 シュナイダーエレクトリックは21日、関西エアポート株式会社が運営する関西国際空港(以下、関西空港)のサーバールーム全体の再構築に際し、シュナイダーエレクトリックのサーバールームインフラソリューションにより、安定性と信頼性の向上、運用効率の効率化と可視化の実現に貢献したと発表した。

 関西エアポートは、2015年にオリックス株式会社と空港運営会社の仏VINCI Airports S.A.S.を中核に設立。関西空港、大阪国際空港(以下、伊丹空港)の民営化を担って事業を開始し、現在は神戸空港を含めた3空港をグループで運営しており、通信インフラ、各サーバー、監視カメラ、放送、電話など空港の情報システム関連設備やFIDS(空港内デジタルサイネージ)、テナント管理・店舗管理システム(POS)、給与・財務システムを含めた各業務系システムなどの運用・管理を広範囲に担っている。

 関西エアポートでは、2017年に既に伊丹空港でシュナイダーエレクトリックの製品群を採用したサーバールームの再構築を行っており、関西空港のサーバールーム再構築はその第2弾として発足したプロジェクトとなるが、複雑に分散したサーバールームの構造や、統一されていないラックや電源の考え方、煩雑な配線など、多くの課題が存在したという。特に、部屋全体を冷やす旧式の空調設備で冷却効率が非常に悪くなっており、それを解消したくても床下や天井の高さを変更できず、導入できるソリューションに制約があるという課題を抱えていた。

 シュナイダーエレクトリックのソリューションによる今回の再構築では、点在していたサーバールームを1箇所に集約したうえで、サーバーラックを「NetShelter SX」に統一し、サーバールームのトータルコーディネートを実現した。また、空調設備はこれまでの部屋全体を冷やす方式を刷新。排熱を天井レターン方式で空調機に戻し、冷気と排熱を分断するキャッピング方式を採用することで、空調効率を最大限に高め、無駄な電力消費の削減に成功した。床下や天井の高さを変更できない制約の下でも、人の導線を考慮した最適な環境の構築を実現した。

 合わせて、IoTプラットフォーム「EcoStruxure」を活用して、温湿度などを監視する「NetBotz」や、電源状態を監視する「ラックマウントPDU」と「Power Logic」によりシステムの環境情報を収集し、それらのデータをDCIM(データセンターインフラ管理)ソフトウェアである「StruxureWare Data Center Expert」で一元管理することで、さらに運用の効率化を図り、従来のサーバールームにあった課題を解消した。

ソリューション導入後のサーバールーム