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米Alkira、日商エレとネットワーククラウド事業で提携 さまざまなクラウドへのオンデマンドな接続を実現

ネットワークとセキュリティも統合し包括的なサービス提供が可能

 米Alkiraは3日、日商エレクトロニクス株式会社(以下、日商エレ)と日本最初のパートナー契約を結び、日本市場に参入することを発表した。Alkira社のネットワーククラウド(統合Cloud Network Infrastructure as-a-Service:CNaaS)のサービスを、日商エレが日本で販売する。

 サービス開始時期と価格については「開始は来年度早々を予定。価格は環境により変わるが、月4~50万、年500万ぐらい」(日商エレ 取締役常務執行役員 坂井俊朗氏)という。

オンライン記者会見より、日商エレ 取締役常務執行役員の坂井俊朗氏(左上)、Alkira 社長兼CEOのAmir Khan氏(右上)、Alkira CTOのAtif Khan氏(下)

 Alkiraでは、SD-WAN企業の米Viptelaを創業したAmir Khan氏が創業者 社長兼CEOを務めている。Viptelaは後に米Ciscoが買収して「Cisco SD-WAN」ブランドとなったが、日商エレはViptelaの日本最初のパートナーでもあり、Amir Khan氏は「Alkiraを設立した時に重要市場である日本への参入を考えて、早い段階で日商エレと会った」と話す。

 中心となるのは、Alkira Cloud Services Exchange(CSX)プラットフォームと、それをas-a-Service方式にしたCloud Backbone as-a-Service(CBaaS)だ。各種パブリッククラウドや、オンプレミスのデータセンター、企業の拠点やリモート拠点、リモートユーザーなどを、グローバルに高速低遅延で相互接続する。

 これらは、オンデマンドでネットワーク容量の拡張などが行えるようになっており、同社では、「接続するのに従来は6~18カ月要していたのにて対し、数分から数時間で接続できる」としている。

 さらにその上に、セキュリティや可視化、運用などの上位層のネットワークサービスが統合され、包括的なソリューションとなっているのも特徴。次世代ファイアウォールや自動スケールの機能を備え、アプリケーションを認識してインテントベースのポリシーを適用できる。サードパーティーのサービスも同様に統合可能という。

 記者発表会では、既存のSASE(Secure Access Service Edge)サービスとの違いについてという質問に対し、Alkiraの共同創業者でCTOのAtif Khan氏(Amir氏の弟でもある)は、グローバルなバックボーンでネットワークの機能を包括的に提供しているところが違うと答えた。

Alkira CSXプラットフォーム
セキュリティや可視化などの機能が統合されたCNaaS

 Alkira社設立の背景としてAmir Khan氏は、「クラウドプロバイダーにとってネットワークは後付けで、また独自のオファリングであることによる制約もある。顧客がマルチラウドに対応しようとすると、複雑性も累乗的に増えることになる」とし、そうしたペインポイントをAlkira社のソリューションが解決すると語った。

 またAtif Khan氏は、Alkira社のサービスは複数のユースケースをサポートするとして、マルチクラウドのグローバルなバックボーンや、SaaSのエクスペリエンスの最適化、エンタープライズDMZ、ゼロトラストネットワークアクセスなどを挙げた。