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テックファームとアライドテレシス、無線LAN機器を利用した位置情報の可視化ソリューションを提供

専用のビーコンなどは不要、コストを抑えた導入・運用が可能

 テックファーム株式会社は27日、IoTプラットフォーム「MoL(Monitoring of Location)」において、アライドテレシス株式会社の無線LANアクセスポイントによる位置情報捕捉技術と連携し、位置情報を可視化するスマートオフィス向けソリューションを提供すると発表した。無線LAN機器を導入するだけで、位置情報を活用した動線分析などを行えるという。

 今回発表されたソリューションは、ビーコンなどの専用タグを利用することなく、スマートフォンやPCを用いて現在位置を把握可能にするもの。「MoL」の位置情報捕捉機能と、位置情報を捕捉可能なアライドテレシスのアクセスポイント、ネットワーク統合管理ソフトウェア「AT-Vista Manager EX」を連携させて実現するという。

 専用タグや受信機の導入が不要となるため、コストを抑えた導入・運用が可能なほか、ビーコンを用いた位置情報の取得と比べ、受信機1台で広域をカバーできる点も特長。検知には、従業員のスマートフォンやPCなどに搭載されているWi-Fi機能を利用するため、位置情報を取得するための機器に対し、追加で投資をする必要がないとした。

 さらに、精度を高めたい場合にはアクセスポイントを増設し、密度を高く設置することで対応可能とのこと。

 今後両社では、温度・湿度といった環境情報との組み合わせ、コミュニケーションツールとの連携など、位置情報の可視化と組み合わせた複合的なソリューションとして、病院や工場、オフィスなどに向けて提供する考え。

 例えば医療現場では、病院内で医師や看護師を探したり、徘徊(はいかい)する患者の発見に活用したり、といった場合に活用可能なほか、感染症が発生した場合に動線のトラッキングを行うことで、濃厚接触者をリストアップするためのデータとしても活用できるとしている。

 また「工場やビル施設において、作業者やメンテナンス要員の1日の働き方や動線を把握する」、「オフィスにおいて、会議室の在室確認や利用状況、人数を確認し“密”状態を判定する」といった利用法も想定されるという。

 なお、アライドテレシスが運営する「京橋イノベーションセンター」では、オフィス環境を想定したデモを体験できるとのことだ。