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2020年の国内DCサービス市場は前年比2.9%増の1兆4518億円、今後はクラウド系サービスの伸びで高成長を予測~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は26日、国内データセンター(DC)サービス市場の最新予測を発表した。2020年の国内DCサービス市場は前年比2.9%増の1兆4518億円、2019年~2024年の年間平均成長率は9.1%と高い成長率が維持される見込みで、2024年の市場規模は2兆1828億円となると予測している。

 IDC Japanでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、ユーザー企業の一部ではDCサービスの導入やそれに関連したインフラ投資を先送りする傾向が見られ、2020年の前年比成長率は2.9%と低水準になると説明。その一方で、外出自粛の影響により企業活動がオンラインで処理されるようになっているため、クラウドサービスやホスティングサービスの需要が増加しており、こうしたサービスの提供のためにDCを利用する傾向が強まるため、2021年の前年比成長率は8.1%へ上昇すると分析している。

 DCサービス市場には、クラウド系サービスと非クラウド系サービスがあり、クラウド系サービスはAmazonやMicrosoft、Googleなどが提供するクラウドサービスや、そうしたクラウドサービスのサーバーに稼働環境を提供するサービスを指す。非クラウド系サービスは、従来型のウェブホスティングや業務システムアウトソーシングなどを指す。

 IDC Japanでは、国内企業の多くが自社のITインフラ(サーバー、ストレージなど)をクラウドサービスに移行させる傾向にあるため、DCサービスの利用形態も従来型のサービスからクラウド系サービスにシフトしていると説明。その結果、国内DCサービス市場では、クラウド系サービスの伸びが成長の牽引役となっており、2021年には国内DCサービス市場の半分以上をクラウド系サービスが占めることになるとしている。

 クラウドサービス拠点としての大規模DC需要は増加傾向が続くとして、IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの伊藤未明氏は、「拡大するキャパシティ需要に対応するための大規模建設投資が継続すると同時に、用地や電力の確保が課題となる」と分析している。

国内データセンターサービス市場 売上額予測:2019年~2024年(出典:IDC Japan)