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日立、リモート開発向け機能を強化した「Justware統合開発プラットフォーム」
2020年8月4日 12:15
株式会社日立製作所(以下、日立)は4日、システム開発の効率化や品質向上を支援する開発環境「Justware統合開発プラットフォーム」について、リモート開発支援に向けた強化を行い、テレワークでも密なコミュニケーションを促し、円滑なプロジェクト運営を実現する開発環境として、10月1日から提供を開始すると発表した。
Justware統合開発プラットフォームは、日立が50年以上にわたって培ってきた大規模システムのアプリケーション開発やプロジェクト管理のノウハウをベースに、システム開発に必要となるツールやフレームワーク、開発方法論を統合した開発環境。
今回、テレワークにも対応する機能として、開発者のPC操作記録やツールの利用状況、チャット履歴などを分析し、リモートでは把握することが難しい個々の作業状況やモチベーションの状態を可視化する機能を拡充するなど、各種機能を強化。多様な働き方への対応や、緊急時のプロジェクト継続など、ニューノーマル時代に適応する新しい開発環境として活用を広げ、システム開発のリモート化への対応に貢献するとしている。
新たに追加する「チームチャット分析機能」は、メンバー間のチャット履歴から発言回数や発言傾向などを分析し、チームのコミュニケーション状況をダッシュボードに可視化するもの。チーム内で、ノウハウや役立つ情報などを発信・蓄積できる「ナレッジルーム」を整備し、共用フォルダへの情報登録やチャット機能を使って、有用な情報を容易に検索・収集できるようにする。
「チームチャット分析機能」は、ナレッジルームでの情報発信・共有の回数などから、各開発者のチームへの貢献度を可視化する。チームへの貢献度が可視化されることにより、開発者の積極性を高め、モチベーションの維持・向上や自律的なチームビルディングを促進する。
管理者は、会話の頻度や会話相手、過去の会話傾向からの変化といったプロジェクト内のコミュニケーション状況を多角的に分析することで、メンバーやチーム全体のモチベーション変化への気づきを得ることができ、チームワーク強化に向けた対策を早期に講じることが可能となる。
また、管理者向けの新機能としては、開発者のPC操作記録やツール利用状況などの情報を自動収集し、一元的な管理・可視化を実現する「開発行動分析機能」を追加。プロジェクトの進捗・品質状況といった開発実績データだけでなく、開発者の作業状況に関する情報もダッシュボードで視覚的に表示するため、テレワークでは把握が困難な作業実態をリアルタイムに確認でき、リーダーや管理者の負荷を軽減する。また、生産性の高い人が使用するツールや活用方法などを把握・分析し、チームに共有することで、より生産性の高いプロジェクト運営やチームの底上げにも寄与する。
このほか、コードインスペクションツール(静的解析ツール)で抽出したバグを自動修正してソースコードのレビューや開発作業を効率化するなど、管理者や開発者向けの既存機能についても強化し、リモート環境においても統制のとれたプロジェクト運営を支援するとしている。
Justware統合開発プラットフォームの価格は個別見積もり。日立では今後、アプリケーション品質の向上や人財育成など、さまざまな視点からシステム開発現場を支援する開発環境の強化を継続的に行い、ニューノーマル時代における多様なニーズや社会的変化に柔軟に対応できるITシステムの実現に貢献していくとしている。