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個人情報保護に配慮しつつオフィスでの“密状態”を抑止、NRIがAIカメラソリューションを提供

 株式会社野村総合研究所(以下、NRI)は31日、AIカメラと個人情報の保護に配慮した画像認識・分析技術を活用し、新型コロナ感染予防の保護を図るオフィス向けソリューション「NRI AI Camera for Office」を、同日より提供開始すると発表した。

 「NRI AI Camera for Office」は、執務エリアや会議室など、オフィス内における3密回避のため、従業員が「マスクを着用しているか」「近接していないか」などをAIカメラが自動的に認識し、音声で注意を促すソリューション。

 AIカメラが撮影した画像データは、エッジコンピューティング技術によってカメラ端末側で解析を行うが、プライバシー保護のためにそこで破棄し、性別や年齢など、個人情報を含まない解析後のデータのみをクラウド側へ連携する仕組み。クラウド側ではAWSのAWSのAIおよびエッジコンピューティングのソリューション群「Amazon SageMaker」と「AWS IoT Greengrass」を活用することで、高度なビジュアライズ・分析を可能にしている。

 具体的には、Amazon SageMakerで画像認識・分析用AIモデルをエッジコンピューティング用に最適化するとともに、最適化されたAIモデルとIoTの実行環境であるAWS IoT Greengrassをカメラ端末にインストールし、端末上で撮影した画像を分析しているとのこと。

 こうした仕組みのため、クラウドやサーバーに個人情報が蓄積されることはなく、機微情報の漏えいリスクを最小化できるほか、カメラ端末をWi-FiやLTEといったワイヤレスネットワークに直接接続できることから、端末の電源のみで設置可能となっており、敷設場所を選ばない点も特長とした。

 さらに、AIモデルなどのアップデートも遠隔から実施可能で、敷設後の維持管理のほとんどをリモートメンテナンスにより行えるようにするなど、利便性にも配慮している。

 なおNRIでは、個人情報の保護に配慮したAI画像解析ソリューション「NRI AI Camera」を開発し、顧客企業や社内での実証実験を行ってきたが、今回発表されたNRI AI Camera for Officeは、その成果を集約して開発されたとのこと。また同社は、NRI AI Camera for Officeを自社の会議室に導入しており、今後、全オフィスへ展開する予定としている。