ニュース

社員を守りながら安全な事業の再始動を支援――、セールスフォースが4つの新アプリを提供へ

 株式会社セールスフォース・ドットコム(以下、セールスフォース)は15日、社員の安全を考慮しながら、最適配置などを実現するソリューション「Work.com(ワークドットコム)」を直販で販売する。

 今回提供するのは、オフィスの準備状況を一元管理してリーダーが意思決定を行う際の状況を一元管理する「Workplace Command Center」、従業員の健康状態チェックなどを行う「従業員健康チェック(Employee Wellness Check)」、施設と従業員のシフトスケジュールを管理する「シフト管理とプランニング」、「従業員向け学習ツール myTrailhead(myTrailhead for Employees)」の4つのアプリケーション。

Work.com

 セールスフォース 専務執行役員 ビジネスオペレーション担当の伊藤孝氏は、「社員の安全を確保しながら企業を再始動する際、例えばオフィスレイアウトをどうするか、安全を保てる出社時間は何時かなど、企業には検討しなければならない課題が山積み。Work.comでは、データに基づき、効率的な判断を進めることができる。今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に限らず、将来の災害対策も考慮した、新しい道しるべとなる製品だ」と述べ、企業のBCP対策に必要となるソリューションとして、販売を進めていく計画を示した。

セールスフォース 専務執行役員 ビジネスオペレーション担当の伊藤孝氏

新たに4つのアプリケーションを国内で提供

 Work.comは、企業が今回のCOVID-19のような危機に直面した後、事業を再始動させる際に力を発揮するソリューション。米国では、今回日本で発売になるアプリケーション以外にも、事業継続を行うためのアプリケーションが提供されており、さらに新しいアプリケーションの追加も予定されている。

 「日本語ローカライズをはじめ、個人情報保護法など日本の法律に対応した上でリリースを行っていく。今回リリースした以外の製品で、米国でリリースされているものについては、年内にはリリース予定」(セールスフォース マーケティング本部プロダクトマーケティング マネージャーの岩永宙氏)とした。

セールスフォース マーケティング本部プロダクトマーケティング マネージャーの岩永宙氏

 日本で発表された4つのアプリケーションは、次の通り。

 「Workplace Command Center」は、企業や組織の責任者が、各事業拠点、従業員などの職場復帰の準備状況を360度視点で把握し、データに基づいた意思決定を行うためのアプリケーション。効果的なコミュニケーションを可能にする情報管理ハブとして活用できる。

 業務や拠点再開に関連するワークフロー、アプリ、アクションと連携し、インサイトに基づいた迅速なアクションを実現する。また、Tableauの新型コロナウイルスデータハブとも連動しているため、さまざまな公開データを取り込んで活用することや、ほかのWork.comソリューションのタスク実行、ステータスチェックも可能となる。7月15日から提供を開始し、価格は1ユーザーあたり月額600円。基本的に、ベースライセンスとしてのPlatform Starter(1ユーザーあたり月額3000円)とセットで提供される。

Workplace Command Center

 2つ目の「従業員健康チェック」では、従業員の健康状態をモニタリングし、分析するために必要なデータを収集することができる。

 例えば、オフィスを再開するか否かを決定する際、従業員の健康アンケートを行って出社再開に関するインサイトを取得し、データに基づいた意思決定を行うことができる。提供は7月15日から開始する。

 価格はWorkplace Command Centerに含まれ、最大300回答の健康チェックが可能。それ超える場合は1000回答ごとに、追加で3万6000円が発生する。

Workplace Command Center

 3つ目の「従業員向け学習ツール myTrailhead」は、仕事に関するトレーニング、学習、健康プログラムなど、従業員のスキルアップに役立つコンテンツを提供するもの。

 マスク着用をはじめとする新しいルールの徹底など、活動を再開した企業が、職場復帰した従業員に対して、新しい安全方針に関する情報を提供できる。製品は近日提供予定で、価格は1ユーザーあたり月額3000円。

従業員向け学習ツール myTrailhead

 最後の「シフト管理とプランニング」は、職場の3密状態を回避するシフト管理機能。これを使用することで、従業員を安全に職場に戻す計画を立てることができる。

 オフィスが入っているビルのサプライヤーやベンダーのサービス管理を含め、空間的な距離、休憩のスケジュールを調整し、オフィスやエレベーターでの大規模な密集・密接・密閉を回避することができる。

 提供開始時期は7月15日から。価格は1ユーザーあたり月額600円だが、基本的にはベースライセンスとして、Platform Starter、Workplace Command Centerとセットで提供される。

シフト管理とプランニング

 またWork.comを利用する際には、最低でも1ユーザーのLightning Platform管理者用ライセンス(1ユーザーあたり月額9000円)が必要になる。

Workplace Command Center 価格とパッケージング

 なお、これまでのセールスフォース製品の利用者であっても、新たにWork.comから利用することも可能となる。Work.comでも、全アプリケーションではなく一部を利用することが可能だ。

 さらに、Work.comと連携するパートナーソリューションも提供され、現時点ではUPWORDが位置情報を利用した従業員の訪問管理アプリケーションを、チームスピリットが従業員の稼働状況のモニタリングするアプリケーションを、Phone Appliが拠点出勤者や来訪者の履歴管理アプリケーションを提供するとのこと。

パートナーソリューション