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ROBOT PAYMENT、経理業務の電子化プロジェクトを50社の賛同企業と推進
2020年7月3日 06:00
株式会社ROBOT PAYMENTは2日、50社の賛同企業とともに経理業務の電子化を訴えるプロジェクト「日本の経理をもっと自由に」を始動した。
また今回は、経理担当者1000人を対象に、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下での働き方に関して、アンケートを実施した。
2020年3月以降、テレワークを開始する企業が多かったものの、経理業務は自宅で行うことが難しく、出社を余儀なくされた人もいたという。
この状況を「電子化されずに紙の利用が続き、月末と月初めに業務が偏ること、ルーティンワークが多いことなど、旧来の経理業務が今回のコロナ騒動で可視化された結果」(ROBOT PAYMENT 代表取締役社長の清久健也氏)と分析。2020年10月の電子帳簿保存法改正を受けて、請求書電子化などを賛同企業とともに訴え、50%以上の企業が請求書電子化サービスを導入する状況の実現を目指すとした。
経理の働き方を変えるため
今回のプロジェクトを主導するROBOT PAYMENTは、請求・集金業務を管理・統合・自動化するクラウドサービス「請求管理ロボ」を提供している。
「2000年にインターネット決済サービスの会社として事業をスタートしたが、そこで得た創業以来のノウハウを結集し、経理業務ロボットを開発した。8割が定型業務である経理業務をロボット化することで、企業のコア業務に集中できる環境を作ることを狙いとしている」(清久氏)。
10月1日に電子帳簿保存法が改正されることから、経理業務で利用してきた紙の帳票類電子化が進むと見られている。が、「依然として経理部門では働き方が変わらないところも多い。人手不足、働き方改革が進んでいない。テレワークが導入されたものの、経理部門では7割の人が出社を余儀なくされたという調査結果も出ている」(清久氏)と、経理業務だけはテレワーク対象外だったケースが多かったという。
経理部門のスタッフ1000人にアンケート調査を行ったところ、出社しなければならなくなった原因は、1位が紙の請求書業務、2位が入金支払い管理、3位が経費精算業務と、紙での作業が続いているため、出社を余儀なくされたケースが多かった。
「経理の働き方を変えるために、紙を電子化することを呼びかけていくが、これは1社だけでは実現できない。そこで今回、50社の企業と共に電子化に取り組んでいく」(清久氏)。
具体的な対策として、次の4つのアクションを実施する。
1)現在の賛同企業数を、最低でも100社に拡大
2)企業のDX化を推進する経済産業省へ、経理電子化を訴える個人署名1万人分の署名を提出
3)経理部門の新しい働き方を世の中に発信
4)賛同企業に対しては、請求管理ロボの導入費用を無償化
プロジェクトのゴールとしては、125万社の日本企業のうち34.2%と算出されている企業の電子化サービス導入率を、約183万社のうち50%程度まで拡大していくことを目指していく。
経理業務についてはすべてを電子化できるわけではないが、請求業務については金融機関との連携も進んでおり、ほとんどの業務がオンラインで完結できるようになっているとのこと。
セキュリティについても、クラウドを利用し、基本的な操作としてログイン時にID/パスワードは保管せず、その都度に入力するといった基本をきちんと守ることで、家庭で作業しても基本的なセキュリティ確保は可能だという。
なお、このプロジェクトの賛同企業としては、OBC、PCA、マネーフォワード、MJSなど、経理業務で利用するITソリューションを提供する企業や、みずほ銀行などの金融機関などが名を連ねている。
会見では、freee、インフォマート、タイミー、ペイミーの4社が賛同企業を代表してエンドースのコメントを発表した。
さらに、TDMテレワーク実行委員会、キャスター、ランサーズの3社が登壇し、ディスカッションを行った。この中でランサーズの取締役 曽根秀晶氏は、「経理業務でのDXを進めた結果、出社せずにスムーズに業務を進めることができた」と、緊急事態宣言下でも支障なく、テレワークで業務を進めることができたことを説明。
キャスターの代表取締役である中川祥太氏は、「6年間、リモートワークをやっている。コロナの影響で業務への影響はなかった。むしろ、学校が休校となったことの方が影響があった」と述べ、体制を整えていれば、緊急でテレワークを実施することになってもマイナス影響はなかったと強調した。
このほか、ROBOT PAYMENTで今回のプロジェクトを担当する、執行役員 フィナンシャルクラウド事業部長の藤田豪人氏は、「今日は、今回のプロジェクトにおけるキックオフ。ここから、さまざまなアクションを進めていくことが肝心だと考えている。これまで“声なき声”だった経理業務電子化に向けた声を集める代表者として、世の中を変えていきたい」とプロジェクトの決意を語った。