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プロセスマイニングで“価値ある移行”を支援、アビームがSAP S/4HANAへの移行支援サービスを提供
2020年6月2日 16:30
アビームコンサルティング株式会社(以下、アビーム)は2日、Celonis株式会社が提供する、プロセスマイニング技術を活用したSAP S/4HANAへの移行支援サービス「Re+Innovation for SAP S/4HANA」を提供開始すると発表した。価格は2340万円から。
多くの企業で基幹業務アプリケーションとして採用されている「SAP ERP Central Component(ECC) 6.0」は2027年に保守期限を迎えるため、SAP S/4HANAなど、ほかのアプリケーションへの移行が必要となっている。
一方で、移行を検討する企業側には、競争力強化や持続的な成長のため、「現行システムの維持・運用」ではなく、新たなデジタルテクノロジーの導入や、ビジネスモデルの変革を実現する「攻めのIT投資」への転換が求められているとのこと。このため、移行の着手にあたっては「単純な移行(置き換え)」ではなく、業務プロセスそのものの改善までを見込んだ施策が必要とされているとのこと。
今回アビームが提供開始する「Re+Innovation for SAP S/4HANA」はこうした課題を抱える企業を支援するためのサービスで、SAP S/4HANAへの移行における改革構想フェーズにおいて、技術的な移行方針の策定だけでなく、業務プロセス改善案を含めた全体計画の作成を支援してくれる。これにより、迅速な業務プロセスの可視化や重点的に対応すべき課題の特定、改善案の提示などが実現するほか、移行そのものに必要な期間、リソース、コストも削減可能とのことだ。
具体的には、SAP ECC 6.0上で稼働する業務のトランザクションデータやログデータを分析することで、現行の業務プロセスを可視化してくれる。従来はヒアリングや担当者の経験に基づき実施していた業務実態の把握を、プロセスマイニング技術によって網羅的かつ短時間で把握・分析できる点が特徴という。
また、こうして可視化された業務実態から、アビームの業務改善における知見を生かして非効率な業務を特定し、業務プロセス改善施策を提示する。さらに、業務プロセス改善施策を実施した場合のROI(投資収益率)を試算し数値化することで、移行による費用対効果をより具体的に示せるとした。
アビームでは例として、複数の海外子会社における入金消込のログデータから、会社ごとの作業自動化率を解析し、業務を改善すべき会社を特定。改善すべき会社の業務を自動化した場合の、削減可能な人件費を算出するといったケースを示している。