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PFU、基幹業務周辺のアナログな非効率業務を改善する「デジタルライズサービス」

DX支援サービス「プロセスRe:Design」の第2弾

 株式会社PFUは17日、業務改善を支援するDX支援サービス「プロセスRe:Design(リデザ)」の第2弾として、「デジタルライズサービス」を提供開始すると発表した。営業事務における受発注および売上・請求業務のほか、経理業務の債権・債務管理、決算処理を対象に、紙やメールなどに依存したアナログな非効率業務をデジタル化することができるサービスだ。OCRによるデータ入力効率化や、データ連携による二重入力の排除に加えて、ワークフローによる業務の標準化などを提案。効果の高い改善施策をオファリングとしてまとめて提供する。

 PFU インフラ・サービス&インテグレーション事業本部インテグレーションマネジメント事業部デジタル業務改革サービス部 シニアマネージャーの坂本竜生氏は、「業務改善やDX推進、基幹システム刷新といった取り組みにおいては、導入目的を達成する一方で、手作業や二重入力、属人化の改善に苦労したり、現場での業務負荷が増加してしまったりといったことが発生する。PFUでは、オペレーショナルエクセレンス(OE)活動により、これらの課題を解決し、業務工数の削減も達成するなど、業務改善で成果を上げている。このノウハウは、多くの企業にとって実践的な支援になると確信し、オファリングとして整理し、DX支援サービスとして提供することにした。PFUの実践知を多くの企業の業務改革に還元していく」と、製品化に至る背景を説明した。

PFU インフラ・サービス&インテグレーション事業本部インテグレーションマネジメント事業部デジタル業務改革サービス部 シニアマネージャーの坂本竜生氏

 PFUでは、2023年から全社規模でOE活動を開始し、営業、バックオフィス、開発などの複数部門で、業務の見える化と作業の効率化を推進。2年間で30%の業務工数の削減を実現した実績を持つ。時間換算すると、年間65万時間相当の削減になるという。

OE活動実績

 OE活動は、2022年9月にPFUがリコーグループ入りしたのに合わせて、リコーグループが持つ業務改善およびプロセス改革のフレームワークである「プロセスDX」をベースに展開。2023年度の「プロセスDXの活動開始」、2024年度の「プロセスDXの定着」、2025年度の「全業務プロセスのデジタル化」というステップを踏んで成果を上げてきた。

 「2025年度には、ナンバーワンのDX企業への変革を目指す方針とともに、業務改革サービスを事業化する取り組みを開始することを目指した。プロセスRe:Designは、その成果になる」という。

PFUが取り組むDX推進-OE活動-

 一方で、2024年1月からの基幹システムの刷新に伴い、ガバナンス強化などのために、新たな業務フローを導入。だが、帳票や慣習で済んでいた情報を入力することが必須となったことで、現場の業務負荷が増加してしまった。さらに、周辺システムとの連携ではタイムラグが発生したり、エラー時には自動でリカバリができなかったりといった課題が発生。手動での対応が必要になるといった点で作業負荷が増えるという事態に陥った。

 ここでも、OE活動の成果を生かし、プロセスの可視化、診断、最適化、デジタライズを実行することで業務を改善し、作業負荷の低減を図ったという。

 例えば、SAP発注業務の効率化では、発注業務で、検索作業に手間と時間がかかっていたことに着目し、専用の発注確認サイトを立ち上げて検索作業を効率化。2年間で2040時間の業務効率化を実現した。

 「OE活動は、具体的な目標設定を伴う経営層による旗振り、推進室の設置によるプロセスDXの社内浸透、プロセスDX人材の育成やAI基盤の社内活用をはじめとした全社・全員での取り組みが重要なポイントとなった。非効率業務からの解放により、本来業務に集中したり、改善マインドの定着や文化を醸成したりといった効果も生まれている」という。

社内事例:「発注確認サイト立ち上げによるSAP発注業務の効率化」

 PFUでは、これらの経験で培ったノウハウを活用して、企業などの業務改善を支援するDX支援サービスとして「プロセスRe:Design」の提供を開始している。

 第1弾として、2025年7月から提供している「アセスメントサービス」は、現場業務の可視化や分析、最適化によって、改善すべき課題の抽出を行うサービスとなる。

 現状の業務を把握するために、対象組織の業務構造図を作成し、レポートをもとに業務を分析する「業務可視化サービス」、業務可視化サービスの分析結果から、改善対象業務を俯瞰(ふかん)した業務フロー(As-Is)を作成する「業務プロセス診断サービス」、把握した業務の流れや課題をもとに、対象プロセスの最適な姿を検討する「プロセス最適化支援サービス」を提供する。

アセスメントサービス

 そして、第2弾となる今回の「デジタライズサービス」は、アセスメントサービスでの診断結果をもとに、改善ノウハウと最適なデジタル化ツールを組み合わせることで、業務課題に対して、具体的な改善施策を提示するものになる。

 なお、「プロセスRe:Design」は、4つのメニューで構成しており、今後、「モニタリング」と「ナレッジ」の2つのメニューを追加する予定だ。これにより、DXの目的やゴールの設計、具体的な現場への定着、人材育成までをトータルに支援し、PFUの専門SEがDX化と業務改善を伴走支援していくという。

 「どこからDXを始めればいいのかがわからないといった企業にとっても、体系的なフレームワークに沿って、最適化やデジタル化を進めることができる。スムーズに業務プロセスを再設計するという意味から、プロセスRe:Designという名称を付けている」とした。

プロセスRe:Design

 今回発表した「デジタライズサービス」は、営業事務および経理業務の共通課題である基幹システム周辺に散在するアナログな非効率業務を、スピーディーに改善するサービスと位置づけている。

 共通課題として、「非効率なデータ化」、「煩雑な入力・転記」、「人手による突合」、「滞る承認・確認」、「散在した情報の確認」の5つを挙げ、これらを解決するために、ツールと改善施策を組み合わせて、確実な業務改善を提案するという。

デジタライズサービス

 業務改善サービスとしては、営業事務DXの領域では、営業事務の受発注業務での紙やメール、複数のシステムを参照しながら行っていた入力および確認などの非効率な作業を自動化する「受発注業務改善サービス」、営業事務の売上・請求業務において、出荷予定を一括で確認し、出荷内容の変更や売上・請求照合などの非効率な作業を自動化できる「売上・請求業務改善サービス」を商品化。

 また、経理DXの領域では、経理業務の債権管理で、入金情報の取り込みや入金照合・消込などの作業を自動化し、未回収情報をリアルタイムで可視化する「債権管理改善サービス」、経理業務の債務管理において、手作業で行っていた請求・納品情報の取り込みや、支払い予定の抽出、支払いの作業を自動化し、支払い内容をタイムリーに通知する「債務管理改善サービス」、決算業務において、実績データの収集状況確認や決算データの集計から確定まで、負担が大きい作業を自動化する「決算業務改善サービス」を用意した。

アセスメントとデジタライズの関係性

 「PFUが持つ約1200件の社内外の実践ノウハウをもとに改善パターンを集約し、業務別オファリングとして提案する。課題に合わせて、最適な形で導入できることから、迅速に確実な業務改善を行える」と自信を見せた。

オファリングの効果

 また、デジタルツール系導入サービスとして、開発基盤の導入に向けた「intra-mart導入サービス」(価格は57万円から)と、データ連携基盤の導入に向けた「ASTERIA Warp導入サービス」(価格は57万円から)も提供する。

 売上高200~1000億円の中堅企業や、大手企業の部門導入をターゲットにしており、製造業や卸売、小売業などを対象に提案する。PFUの事業規模は約1200億円であり、自社導入の実績が生かしやすい規模や業種を主要ターゲットとする。

 「売上高1000億円以下の中堅企業では、約8割の企業がDX推進に踏み込めていないのが現状である。人材やスキル不足がDX停滞の課題となっており、プロセスRe:Designでは、この課題も解消できる。また、基幹システム周辺に存在する非効率な業務改善にも効果がある」とした。

 なお、PFUによる直販だけではなく、リコージャパンとも連携した提案も進めるとのこと。同社では、プロセスRe:Designの事業において、2028年度には約10億円のビジネス規模を目指す。

 PFUは、スキャナーやOCR、HHKBなどを中心としたドキュメントイメージング事業と、ITインフラの構築や運用、個別システム開発、IT機器の販売、保守などを行うインフラ・サービス&インテグレーション事業で構成している。今回の「プロセスRe:Design」は、後者の事業領域の製品となる。