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富士通研究所とアクセンチュア、異なるブロックチェーンを連携する技術を共同で開発

 株式会社富士通研究所と米Fujitsu Laboratories of America(以下、FLA)は15日、アクセンチュアの英国法人と共同で、The Linux Foundationが運営するOSSコミュニティのHyperledger Projectに、異なるブロックチェーン間の安全、確実な連携動作を実現するOSSの開発について提案を行い、新プロジェクト「Hyperledger Cactus(カクタス)」として、正式に承認されたと発表した。

 プロジェクトにおいて、富士通研究所とFLAは、富士通研究所独自のセキュリティ技術である「コネクションチェーン」を活用し、アクセンチュアと共同で、複数の異なるブロックチェーンが連携する統合型サービスの開発を容易にするOSS基盤ソフトの開発をHyperledger Cactusとして推進する。

 ブロックチェーンは中央管理が不要かつ改ざんが困難などの性質を持つことから、コンテンツ管理や権限管理といった、金融以外の分野でも活用が活発になっている。実在する資産をデジタル化し、ユーザー同士が様々な用途において直接取引する世界が期待されるが、複数のブロックチェーンを経由する場合には、相互接続部分で信頼の起点となるプレイヤーが必要となり、その部分の透明性や安全性の保障、複数のブロックチェーン基盤を相互に接続する汎用的な仕組みを備えた共通プラットフォームの開発が求められていたという。

 富士通研究所では、実装方式や運営目的が異なるブロックチェーン間を安心・安全に相互接続する独自のセキュリティ技術のコネクションチェーンを2017年11月に開発し、異なるプライベートコインの両替機能をOSSとして無償公開している。

 今回、新プロジェクトとなるHyperledger Cactusのもと、富士通研究所とFLAはコネクションチェーンを活用し、アクセンチュアのブロックチェーン間統合技術である「Blockchain Integration Framework」を融合させ、ブロックチェーンの相互接続を実現する基盤開発を共同で進めることで、デジタルトランスフォーメーションのさらなる活性化を目指すとしている。

 Hyperledger Cactusプロジェクトでは、異なるブロックチェーン間での取引が確定するタイミングなどの差分を吸収し、必要な資産移転を行ったり、移転が失敗した場合のリカバリー処理を実行したりするなど、異なる資産同士の取引をブロックチェーンにより安全かつ確実に行うことができる新しいアーキテクチャーの基盤を開発する。開発した技術はOSSとして広く公開し、これまでできなかった異なるブロックチェーンを経由する取引を、安全かつ公平に行えるシステムを目指す。

 また、ソフトウェア開発者向けに複数のブロックチェーンを統合したサービス提供を容易にするためのSDKもOSSとして提供を予定する。

 これにより、たとえば、カーシェアリングサービスにおいてHyperledger Cactusの基盤を活用することで、車の利用権を管理するブロックチェーンと、プライベートコインを管理するブロックチェーンを連携動作させながら、一時的に車を使いたいユーザーがプライベートコインの譲渡と引き換えに車の一時的な利用権を得るサービスを新たに創出できるとしている。