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富士通とクアルコムテクノロジーズ、5G通信帯域でのキャリアアグリゲーションによるデータ通信の高速化に成功

 富士通株式会社と米Qualcomm Technologies(以下 クアルコムテクノロジーズ)は8日、3.5GHz帯(n78)と4.9GHz帯(n79)の2つの異なる電波を組み合わせて同時に通信させるキャリアアグリゲーションを用いて、富士通の5G基地局とクアルコムの5G対応チップセット「Qualcomm Snapdragon X55 5G Modem-RF System」を搭載した試験用スマートフォンデバイス間において、ピーク通信速度3Gbpsを超えるデータ通信に成功したと発表した。

 キャリアアグリゲーションは、CC(Component Carrier)と呼ばれる無線周波数帯域を、同時に複数組み合わせて通信を行う技術。広帯域化によってユーザーの通信速度の向上が見込める。

 検証は、LTE設備との連携により5G通信を行うノンスタンドアローン構成で、総務省が定めた日本国内におけるサブ6GHz帯に対応する3.5GHz帯と4.9GHz帯の電波を束ねたキャリアアグリゲーション(4x4MIMO、256QAM、TDD)の下で行い、ピーク通信速度3Gbpsを超えるデータ通信に成功したという。

 富士通とクアルコムテクノロジーズでは、このキャリアアグリゲーションにより、通信事業者は異なる周波数帯を利用して、より柔軟にネットワークの容量やパフォーマンスを改善することが可能となると説明。また、電波の二重化による安定性向上や負荷分散による周波数効率の向上を図り、ユーザーはスムーズな動画ストリーミングやより高速なファイルダウンロード、Virtual Realityなどの技術を用いたサービスを通じて、新たな体験が可能になるとしている。