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データセンターラックの世界市場、年平均9.4%成長で2025年には59億ドル規模に

 株式会社グローバルインフォメーションは16日、データセンターラックの世界市場に関する市場調査レポートの販売を開始した。調査では、世界のデータセンターラック市場は、2020年の38億ドルから2025年には59億ドルに成長し、年平均成長率は9.4%になると予測している。

 レポートは、世界のデータセンターラックの市場について分析し、市場の基本構造や最新情勢、主な市場促進・阻害要因、市場動向の見通し (今後6年間分)、コンポーネント別 (ソリューション/サービス)・ラックの種類別/高さ別/幅別・データセンターの規模別・業種別・地域別の詳細動向、市場競争の状態、主要企業のプロファイルなどを調査したもの。

 データセンターラック市場の成長を牽引する要因としては、コロケーション施設での設置の増加やサーバーの高密度化などが挙げられると分析。また、耐久性のあるラックの採用なども、データセンターラックベンダーにとって十分な機会を生むと予想されるとしている。

 ラックの高さに基づくと、42U以下のセグメントが最大の市場規模を占めると予想。42Uラックは、ほとんどのサーバーやネットワーク機器に対応した万能ラックで、他にも36Uラックなどの一般的なラックサイズは10年前に大きく採用されたが、36Uラックはもはや業界標準ではないと指摘。標準的な42Uラックは、一般的なIT機器やネットワーク機器のほとんどと互換性があるため、広く好まれているとしている。

 サービス別では、設置部門が最大の市場規模を占めると予想。設置サービスには、データセンターのラックの上にサーバー、電源、冷却、ケーブル配線などのインフラを設置し、安定した状態を維持して場所を移動しないように機器を設置することが含まれる。

 データセンターの規模別では、2万平方フィート以上のスペースを持つ大規模データセンターのセグメントが、市場規模を拡大すると予測。大規模データセンターやハイパースケール施設では、複数のサーバー間でワークロードのバランスを取ることや、最大の冷却効率の確保、冗長性を確保するために複数のインフラをホストする必要があり、そうしたニーズが、大規模データセンターのデータセンターラックの需要を牽引すると予想している。

 分野別では、銀行、金融サービス、保険(BFSI)分野が最大の市場規模を占めると予想。BFSIセクターでは新たな市場への開拓も進んでおり、こうした市場は取引を処理するための信頼性の高いインフラを必要としているとしている。

 地域別では、北米地域に多数のデータセンター施設が存在し、高度なインフラが利用可能であることから、北米が最大の市場規模を占めると予想している。