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NEC、AIを活用した小売業界向け需要予測型自動発注システムを提供開始

 日本電気株式会社(以下、NEC)は21日、小売業界向けにAIを活用した需要予測と、それに基づく自動発注システムを提供開始すると発表した。

 NECでは、人手不足に対応した働き方改革、食品ロスの削減といった小売業界の課題に対して、AI需要予測システム(DCMSTORE-DF)と、それを用いた需要予測型自動発注システム(DCMSTORE-EOB)を開発した。

 システムは、NECのAI技術群「NEC the WISE」の1つである「異種混合学習」を活用し、天候や曜日、過去実績などのデータを元に客数と販売数を高精度に予測する。これにより、牛乳や練り物など日持ちのしない日配品を対象に販売数を予測し、適正量を自動発注することで、発注業務の効率化・標準化を実現し、ロスや欠品を防止する。

需要予測型自動発注システムの概要

 今回活用する異種混合学習では、多種多様なデータから複数の規則性を自動で発見し、その規則に基づいて状況に応じた最適な予測を行う。店舗ごと、商品ごとに規則性を自動で検出して予測することで、きめ細かく精度の高い自動発注を可能とする。また、システムは予測結果の根拠まで説明可能なホワイトボックス型AIであるため、複雑な分析についても解釈性の高い予測結果を得ることが可能となり、予測の理由が示されることで、予測の納得感が増し、問題発生時には原因解明を容易にするとしている。

 システムは、先行して株式会社リオン・ドール コーポレーションが福島県を中心に展開するスーパーマーケットに採用され、千石店で今月より稼働開始し、今後各店舗に順次展開予定。システムの導入に先立って、複数店舗において予測モデルを用いた3カ月間のシミュレーションでは、人手による発注実績と比較した結果、対象製品の欠品日数6.5%改善、ロス金額25~40%低減を確認しているという。