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TIS、“リアルワールドデータ”をeラーニングで学習可能なサービス
2019年12月4日 15:40
TIS株式会社は4日、医療ビッグデータ「リアルワールドデータ(RWD)」の活用を支援するサービスのラインアップに、SaaS型eラーニング「リアルワールドデータ学習サービス」を追加すると発表した。2020年1月の提供開始を予定している。
リアルワールドデータとは、レセプト(診療報酬明細書)データや電子カルテデータ、DPCデータなど、臨床現場で得られる診療行為に基づく、匿名化された医療ビッグデータのこと。
現在、厚生労働省の「医薬品産業強化総合戦略」では、臨床試験、市販後調査の効率化・低コスト化・迅速化を目的としてリアルワールドデータの利活用推進が掲げられており、製薬企業各社でも、その具体的な活用検討が必要となっているという。
しかし、医療機関や健保組合などで収集されたデータの二次利用という特性をもつリアルワールドデータを利活用するには、データの背景情報を含めた基礎知識からの習得が必要となっているとのこと。
また製薬業界では、リアルワールドデータに関するテーマが盛んに取り上げられているものの、既存業務が多忙などの理由から、検討担当者が知識を習得する場に加わることが難しく、体系的な基礎知識習得機会を得られないことも課題という。
今回、TISが提供する「リアルワールドデータ学習サービス」は、こうした背景のもと、eラーニング形式で手軽に受講できるサービスとして開発された。リアルワールドデータに関して基礎から学習可能な内容となっているため、同データに関する予備知識を必要とせず学習を始められるほか、TISが提供するSaaS型eラーニングプラットフォーム「楽々てすと君」によって提供され、学習日時や学習場所の制約なく受講できるという。
具体的には、基礎知識を習得するための学習教材と確認テストで構成されており、研修(インプット)と確認テスト(アウトプット)を組み合わせ、正しい知識の定着を図れるとしている。
なお内容については、医療ビッグデータ利活用の研究・教育活動に携わり、リアルワールドデータの第一人者という、MD Concierge&Services株式会社の清水央子代表(東京大学大学院薬学系研究科 ITヘルスケア社会連携講座 特任准教授)によって監修されている。
価格は、最小構成(1名~10名まで)時で月額20万円。以後5名追加ごとに月額5万円がかかる。TISではキャンペーンとして、2020年1月~3月末までの利用については、最小構成費用を半額で提供するとのことだ。
TISでは、製薬業界など、リアルワールドデータの知識向上を目指す企業に対して展開し、2021年までに20社への提供を目標としている。