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NTTデータ、Kafkaを用いた大規模データのリアルタイム処理実現を支援するソリューション

 株式会社NTTデータは29日、Apache Kafkaを用いた大規模データのリアルタイム処理実現を支援する「Kafka構築・運用ソリューション」を提供開始すると発表した。

 オープンソースの分散メッセージング基盤であるApache Kafkaは、IoTのセンサーなどから随時生成される大規模データを、データを処理する基盤へ受け渡す役割を担っている。従来、随時生成される大規模データの受け渡しは、各システムで個別に設計・構築を行う必要があったが、Apache Kafkaを利用すると、高機能で拡張性の高いリアルタイム処理基盤を、より容易に実現できるため、例えば、GPSや速度センサー情報を利用した渋滞を考慮した経路案内や、金融取引のリアルタイム不正検知など、さまざまな用途に活用できるという。

 今回、NTTデータが提供する「Kafka構築・運用ソリューション」は、こうした特徴を持つApache Kafkaを活用した、リアルタイム処理基盤のコンサルティングから、実証実験、基盤構築、運用までを幅広くサポートするもの。

 Apache Kafkaは商用利用を意識した機能を持つ、利便性の高いプロダクトでありながらも、比較的新しいプロダクトであることから一般に利用実績が少なく、また分散システムに対する知見が必要な点が、導入のハードルを上げているという。

 NTTデータでは以前より、Apache HadoopやApache Sparkを活用した「Hadoop/Spark構築・運用ソリューション」を提供するともに、Apache Kafkaの検証などを実施してきたとのことで、そうした中で蓄積された知見を生かし、大規模データのリアルタイム処理の活用を検討する企業などに対して、拡張性・信頼性・運用性に優れ、長期間運用できる環境を提供するとしている。

 具体的には、Apache Kafkaが標準で有する耐障害性の仕組みを最大限に活用し、独自に検証した耐障害性の方式を併用することにより、標準のApache Kafkaと比べ、少ないサーバー台数で高い信頼性と運用性を有する基盤を実現できるとのこと。

 また導入検討時には、ユーザー企業のシステム要件や将来の拡張性を考慮した基盤アーキテクチャの検討をはじめとしたコンサルティングを実施。「Hadoop/Spark構築・運用ソリューション」と組み合わせることにより、大規模データのバッチ処理基盤も含めた、データ活用基盤全体のインテグレーションにも対応するとした。

 このほかサポートサービスでは、Apache Kafkaを用いたシステム構築・運用時の疑問点やトラブルなどの問い合わせに技術者が回答する。Hadoop/Spark構築・運用ソリューションで提供しているHadoop/Sparkサポートサービスとの併用も可能で、すべての問い合わせには、ソースコードの解析ができる専門技術者が対応し、導入後の運用が長期間となった場合でも、継続的なサポートサービスの提供が可能としている。

 なおNTTデータでは、Apache Hadoop/Apache Sparkに対応できる300名以上の専門技術者を有しているが、Apache Kafkaについても対応し、さらに体制を拡充していく予定とのこと。同社は「Kafka構築・運用ソリューション」を通じて、今後3年間に累計100億円の売り上げを目指すとしている。