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ラック、九州工業大学とAIを活用したサイバー防御における共同研究を開始

 株式会社ラックと国立大学法人九州工業大学は29日、サイバー攻撃からの被害を受ける前に攻撃を防御するAI活用技術(次世代データ分析手法)の確立を目指し、9月1日から共同研究を行うことに合意したと発表した。

 共同研究では、AIを活用した次世代データ分析手法の実現に向け、ラックが持つセキュリティサービスに関わる知見と膨大なデータ、世界中の脅威情報収集基盤から集められる鮮度の高い有益なデータをAIに学習させ、新たな次世代データ分析手法の実現に取り組む。これにより脅威と兆候を見つけ出し、サイバー攻撃による被害の極小化を目指す。

 九州工業大学の中村研究室は、知的思考に関する長年の研究を通じてAIに関する深い知見を有しており、ラックが保有する膨大なデータと融合することで、サイバーセキュリティ分野だけでなく膨大なデータに対する新たなデータ処理手法とアルゴリズムの確立を目指すとともに、その他の分野への展開にも挑戦する。

 ラックでは、多くの企業にとって多様化・巧妙化していくサイバー攻撃は防ぐことが難しいと言われ、現状では被害が発生した後の対応で被害を最小化する対策が主流となっていると説明。しかし、今後さらに高度化するデジタル社会において、こうした事後対応を主流としたセキュリティ対策だけで攻撃者に立ち向かい続けることは現実的ではないとして、潜伏した脅威と兆候を検知し未然に防御するためのAIを活用した次世代データ分析に関して、共同研究を進めるとしている。