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国内クライアント仮想化市場、4分野で富士通がシェア1位を獲得~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は15日、国内クライアント仮想化市場シェアに関する調査結果を発表した。

 調査は、シンクライアント専用端末市場、クライアント仮想化ソフトウェア市場、クライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)市場、クライアント仮想化サービス市場、モバイル仮想化ソリューション市場について、それぞれの主要ベンダーの競合状況を分析したもの。

 国内シンクライアント専用端末市場については、2018年の出荷台数は総計24万3512台で、前年比19.3%増とプラス成長に転じた。ベンダー別のシェアでは、富士通が初めて1位を獲得し、2位は日本HP、3位はデル、4位はAtrust、5位はNECとなった。

 フォームファクター別に見ると、2018年は全体の43%をモバイルシンクライアントが占め、IDC Japanが調査を開始した2008年から過去最高の割合となった。モバイルシンクライアントは、世界市場での需要は低く、日本国内でのみ需要が高い製品となっており、選定ポイントは軽さ、スクリーンサイズ、性能、デザイン、堅牢性で、歩いて持ち運ぶ機会の多い国内市場において、軽さの優先順位が高い傾向にあるという。

 国内クライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)市場の2018年の売上額は6284億円で、前年比6.6%増。ベンダー別では、上位から富士通、日立製作所、NEC、日本ヒューレット・パッカード、IBM、NTTデータの順となった。

 国内クライアント仮想化サービス市場の2018年の売上額は676億円、前年比12.6%増。ベンダー別では、上位から富士通、日鉄ソリューションズ(NSSOL)、NTTデータ、NEC、日立製作所、IIJの順となった。

 国内モバイル仮想化ソリューション市場の2018年の売上額は257億円、前年比13.3%蔵。ベンダー別では、富士通、e-Janネットワークス、NTTテクノクロス、スプラッシュトップ、RSUPPORT(アールサポート)の順となり、富士通は主力製品であるFENICS IIで、リモートアクセスサービスのFENICS II ユニバーサルコネクトが前年比で大きく成長したという。

 これら4つの市場で、富士通がすべて1位を獲得しており、これはIDC Japanが市場調査を開始して以来、初のことになるという。

 IDC JapanのPC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの渋谷寛氏は、「2019年は、デジタルワークスペースがさらに革新し、インテリジェントワークスペースへ発展するであろう。セキュリティ/認証系のクラウドサービス、ストレージサービスなどの新技術を見極めながら自社エンドポイント環境に融合させることが求められている」と述べている。

国内シンクライアント専用端末市場 ベンダー別 出荷台数シェア、2018年(出典:IDC Japan)