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NEC、インドのCSC e-Governance Servicesと戦略的提携、農村地域向けに新たなデジタルサービスを創出

 日本電気株式会社(以下、NEC)は15日、同社のインド現地法人であるNEC Technologies India(以下、NECTI)が、インドのCSC e-Governance Services India(以下、CSC)に出資し、インドの農村地域で生活する約9億人にデジタルサービスを提供するため、戦略的提携を開始すると発表した。出資完了時期は6月中を予定しており、出資によりNECTIはCSCの第3位の株主となる。

CSC CEOのDr. Dinesh Kumar Tyagi氏(左)と、NECTI社長の稲葉孝之氏(右)

 インド政府は、ITを活用した農村地域の行政サービス高度化を目的として、共通サービスセンターをインド国内約30万カ所に設置している。CSCは、全国の共通サービスセンターを統括する特別目的会社で、センターが住民に提供するサービスの開発や、各センターの運営者に対する経営アドバイスなどを提供している。

 また、CSCは共通サービスセンターを通じて、行政書類の発行や補助金の交付などの公共サービスや、携帯電話契約や保険商品の販売といった民間サービスなど、300種類以上の住民サービスを提供している。

共通サービスセンターのイメージ

 今回の提携により、NECTIはAIやビッグデータ解析技術を活用して、膨大な取引データを分析し、金融・教育・ヘルスケアなどの分野における新たなデジタルサービスをCSCと共同で開発する。また、データ分析に基づく経営支援サービスを共通サービスセンターに提供することも、今後両社で検討していく。

 提携に先立ち、NECTIとCSCでは2017年からインド国内の銀行と連携し、あらゆる人々に正規の金融サービスを提供するファイナンシャル・インクルージョンの活動を推進している。具体的には農村地域など、銀行窓口やATMへのアクセスが不便な人々に対して、共通サービスセンターで生体認証により本人確認を行うことで、入出金や振込、政府からの補助金の受給などの銀行サービスをセンター内で完結できる仕組みを構築している。

 NECとCSCでは今後、協業関係を強化し、共通サービスセンターで提供するサービスの高度化を進め、利便性を向上することで、農村地域の人々にさまざまな領域での均等な機会と付加価値を提供し、豊かで公平な社会の実現に貢献していくとしている。