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ビズリーチ、人事評価のクラウドサービス「HRMOS評価」をリリース

次世代評価制度「1on1」のリアルタイム・フィードバックに対応

 株式会社ビズリーチは17日、人材活用プラットフォーム「HRMOS(ハーモス)」シリーズの新サービスとして、チームの成長につながる人事評価クラウド「HRMOS評価」をリリースすると発表した。同日に行われた記者発表会では、「HRMOS評価」を開発した背景やサービスの概要について紹介した。また、「HRMOS」のユーザー企業であるWILLER EXPRESS株式会社と株式会社GA technologiesが登壇し、新サービスへの期待を語った。

写真左から:ビズリーチ 代表取締役社長の南壮一郎氏、WILLER EXPRESS 代表取締役の平山幸司氏、GA technologies 代表取締役社長CEOの樋口龍氏

 「HRMOS評価」は、評価業務を効率化するだけでなく、従業員の可能性を引き出し、組織のパフォーマンスを最大化する次世代の評価制度に対応したクラウドサービス。とくに、上司や部下、同僚同士が対話してリアルタイムにフィードバックを行う「1on1」(ワン・オン・ワン)の運用手法に対応。「1on1」を通じて行われるフィードバック内容の記録、能力開発のためのアクションの管理などを、日常的に記録することが可能となる。

 ビズリーチ 代表取締役社長の南壮一郎氏は、「当社は、2009年に2人で創業して以来、多事業化にあわせて組織拡大を進め、現在の従業員は1428人に達している。一方で、組織の拡大にともない、人事評価の課題が顕在化し、半年に1回の評価タイミングだけでは、急速に変化する事業環境に適した評価が難しくなった。また、社内の評価データが様々な場所やツールで保管され、評価のオペレーション業務が属人的で非効率になっていた。そこで、こうした課題を解決するために新たな人事評価ツールを開発。これが『HRMOS評価』のベースになっている」と、新サービスを開発した背景について述べた。

ビズリーチ 代表取締役社長の南壮一郎氏

 「HRMOS評価」では、業務スピードと評価タイミングのギャップを縮め、チームの成長につなげていくために、リアルタイム・フィードバックをサポートする機能を搭載。先進企業で導入が進んでいる「1on1」の運用手法に対応し、アジェンダ管理やコメント管理機能によって日々のコミュニケーション内容が記録できるようになっている。フィードバックを日常的な業務にすることで、従業員一人ひとりが変化する環境に対応しながら、成長する機会を増やすという。また、従業員や組織の状況に応じて、目標を柔軟に変更し、その履歴を残すことも可能となっている。今後は、MBO、360度評価、OKRなど多くの企業が運用している人事制度にも対応していく予定。

 オペレーション業務の効率化に向けては、目標・評価データの履歴を一元管理できる機能を提供。これにより、データに基づいた判断や業務改善が可能となる。また、リマインダー設定や集計作業など、繰り返し行っている業務を自動化することで、評価におけるオペレーション業務を効率化し、生産性向上につなげることができる。

目標・評価データの履歴を一元管理

 南氏は、今後の展開について、「『HRMOS』シリーズでは、これまでに採用管理システムの『HRMOS採用管理』と従業員データベースの『HRMOS Core』をラインアップしてきた。今回、人事評価クラウドの『HRMOS評価』をリリースしたことで、採用から評価まで、シリーズでのデータ連携が可能になる。これにより人事部門は、採用時の求職者データと入社後の評価データを分析することで、採用や配置・活用のミスマッチ減少し、より効果的な採用を実現できる」としている。

 なお、記者発表会では、「HRMOS」のユーザー企業として、高速バス「WILLER EXPRESS」を統括管理・運行するWILLER EXPRESSと、AIを活用した中古不動産流通プラットフォームサービス「RENOSY(リノシー)」などを運営するGA technologiesが登壇。新サービス「HRMOS評価」に対する期待について、WILLER EXPRESS 代表取締役の平山幸司氏は、「WILLERグループの従業員は、2018年12月時点で847人となっており、そのうちWILLER EXPRESSが523人を占めている。『HRMOS』は、人事関連業務のすべてをつなげる構想に魅力を感じ、昨年2月に『HRMOS採用管理』を導入。今年4月には『HRMOS Core』を導入し、人材の可視化に取り組んできた。新サービスの『HRMOS評価』では、フィードバック・コミュニケーションの強化や制度変更への柔軟な対応、有用なデータ分析が可能になると期待している。将来的には、『HRMOS』シリーズだけで人事関連業務を完結させ、乗務員に長く働き続けてもらうための仕組み作りに取り組んでいく」とした。

WILLER EXPRESS 代表取締役の平山幸司氏

 GA technologies 代表取締役社長CEOの樋口龍氏は、「当社は、2013年に創業して以来、売上高・従業員数ともに急成長を続けており、今年4月時点の従業員数は350人となっている。この急成長を支える人材活用の取り組みとして、2017年から『1on1』を実践してきた。また、今年4月からは『HRMOS Core』を導入し、自社開発のコミュニケーションツール『Tech Portal』との連携により、従業員のスキルや能力の可視化を進めている。将来的には、これらの人材データベースとAI&データ分析技術を活用し、経営や組織設計に生かしていく。新サービスの『HRMOS評価』は、ビジネスや組織が変化していく中で、『1on1』などのリアルタイム・フィードバックを促進し、一人ひとりの可能性を引き出す柔軟な人事評価が実現できると期待している」と述べた。

GA technologies 代表取締役社長CEOの樋口龍氏