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三菱地所グループがマルチクラウドの統合人事システムを構築 NRIが支援

 株式会社野村総合研究所(NRI)は19日、三菱地所株式会社が、同社グループ約40社の人事業務の改革に向けて、マルチクラウドによるグループ統合人事システムを構築したと発表した。2018年11月の三菱地所本社への導入を皮切りに、グループ各社へ順次導入し、計1万人以上が同システムを利用する計画という。

 今回構築されたシステムは、Amazon Web Service(AWS)のクラウド環境を中心として、SAP SuccessFactors、TeamSpirit HRなど、業務別に最適なソリューションを組み合わせたマルチクラウドで構成されている。

 これにより、グループ内の人事業務の効率化・高度化、および人材情報の有効活用が可能になるとのことで、特にマルチクラウドの活用により、人事・労務に関連した制度・法改正への対応が、グループ一斉にワンストップで行えるようになるため、システムの改修費および運用保守費を削減できるという。

 一方で、マルチクラウドにありがちな、システム改修漏れや改修タイミングのずれが解消されるとのこと。またNRIでは、クラウドをまたいでのデータ連携やセキュリティ対策についても万全を期しているとアピールしている。

 具体的な製品・サービスとしては、人事給与システムにはSAP ERP Human Capital Management(HCM)を採用。人事・給与情報を一括管理する仕組みを構築することで、これまで複数システムにまたがって運営されていた煩雑な人事業務の負荷を軽減するという。

 また、人事考課システムはSAP SuccessFactorsを利用する。グループ全従業員のスキルや職歴が一元管理されることにより、特に人材配置に関する人事業務において、一層戦略的・効率的な運営が可能になるとした。

 なお、これらの製品・サービスを提供しているSAPジャパン株式会社では、ユーザーインターフェイスのわかりやすさ、将来の拡張性、導入/移行への支援体制などが評価されたとコメントしている。

 一方で勤怠管理システムは、株式会社チームスピリットのTeamSpirit HRとTeamSpiritマイナンバーエンジンを採用した。これにより、従業員は勤怠管理や諸届けといった人事関連の各種申請を、ひとつのシステムで完結できるという。

 加えて、人事および各部門の管理職が、社員の残業時間や有給休暇取得状況などの勤怠情報をリアルタイムに把握可能となるほか、データに基づき、労働環境の改善や生産性向上のための施策展開につなげられるとのことだ。