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大和ハウスグループが人事システムを一本化、従業員約3万5000人が対象

国内有数規模の「SAP HCM」導入事例

 日本電気株式会社(NEC)とアビームコンサルティング株式会社(アビーム)は21日、大和ハウスグループの人事システムをクラウド型で刷新したと発表した。

 大和ハウス工業は今回、人事管理パッケージに「SAP HCM(Human Capital Management)」を採用し、プライベートクラウド上に、国内の大和ハウスグループの人事システムを一元化することで、グループ全体での人材活用を強化した。併せて、新たにグループ全体の人事業務を集中処理するシェアードサービスセンターを設立し、業務品質の向上を目指すという。

 新たな人事システムは、大和ハウス工業およびグループ会社15社で利用開始されており、2014年4月にはグループ会社11社への追加導入が決まっている。その時点でグループ従業員約3万5000人(有期雇用者含む)を対象とする、SAP HCMを採用した人事システムとしては国内有数規模となる。

 システムの概要としては、これまで個別に管理していた採用情報(内定者)と従業員情報を統合し、採用から配置、評価・昇格、育成・教育まで一貫して管理可能とした。採用時と現在の従業員情報を容易に比較し、適正な採用戦略・基準を策定できるほか、従業員の資格・特性・職務経歴・研修履歴などを統合管理することで、客観的な適性配置や従業員一人ひとりに適した教育計画の立案が可能になるという。また、Webサイトによる従業員評価の仕組みも備え、評価プロセスの効率化や従業員へのタイムリーなフィードバックも実現した。

 なお、システム構築に際してNECとアビームは、豊富な導入実績を基にした「ABeam Template for HCM」を活用し、短期間で高品質なシステム導入を行った。また、TOC(制約理論)の考え方に基づき、全体最適化の観点から開発されたプロジェクトマネジメント手法「CCOM(Critical Chain Project Management)」を適用し、工期と構築費用を約25%削減したとのこと。

 NECとアビームは今回のシステム構築実績と両社の強みを生かし、企業の経営体質の強化、継続的な企業価値の向上に貢献するとしている。

川島 弘之