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日立、野村證券の通話録音データを対象とした大規模音声テキスト化システムを構築

 株式会社日立製作所(以下、日立)は18日、野村證券株式会社の電話機の通話録音データを対象に、大規模な音声テキスト化システムを構築したと発表した。全国約160カ所の営業店や本社で利用する、約2万6000台の電話機が対象で、日立の音声認識技術を活用して膨大な通話録音データを自動でテキスト変換することにより、顧客との応対品質向上と、通話モニタリングの効率化を支援するとしている。

 日立では2015年に、野村證券の営業店・本社・コールセンターで利用する電話機を対象に、大規模な通話録音システムの構築を行っている。今回は、営業店・本社を対象に既存の通話録音システムの機能を拡張し、日立の音声認識基盤「Speech Recognition Platform」を用いて、通話録音データを高速処理で自動テキスト変換するシステムを新たに導入した。テキスト化された大量のデータは、日立が構築したHadoopデータ処理基盤で蓄積される。

 こうして通話録音データをテキスト化することにより、目視確認やキーワード検索による通話内容の簡易チェックが可能になるほか、通話録音システムと音声認識基盤が連携し、通話録音データとテキスト変換されたデータをひも付けることで、両データを同一画面上で一覧表示して操作することもできる。こうして、確認したい通話音声をキーワード検索で簡単に絞り込み・特定できるため、通話内容の確認作業を効率化するという。

 また音声認識基盤は、声の大きさ、速度、話者間のかぶり、会話の間といった非言語情報を抽出・定量化する機能も搭載しており、テキスト化される言語情報以外からも、会話の状況や特徴をとらえられるとのこと。

 加えて、野村證券が保有する分析基盤との連携にも対応していることから、テキスト変換の過程で出力される構造化データの活用も可能になり、顧客との応対品質の向上やサービスの改善を支援できるとした。

 野村證券では今後、AIなど最新のデジタル技術を用いて、さらなる応対品質の向上やサービス改善につなげていくための基盤としても、このシステムを活用していく意向だ。