ニュース
アーバーネットワークス、DDoS攻撃と標的型攻撃に対する防御機能を統合した「NETSCOUT Arbor Edge Defense」販売開始
2018年11月21日 06:00
アーバーネットワークス株式会社は20日、DDoS攻撃および標的型攻撃に対する防御機能を統合した企業向けネットワークセキュリティ製品「NETSCOUT Arbor Edge Defense（以下、AED）」の販売を開始した。
AEDは、企業ネットワークとインターネットの境界にあたるネットワークエッジに設置することで、DDoS攻撃と標的型攻撃の検知・防御の双方に対応する製品。通信のコネクション／セッション状態を保持せずに脅威を判断するステートレス技術を採用した独自のエンジンを搭載し、パフォーマンスを低下させずに脅威の阻止が可能。DDoS攻撃については、大規模なボリューム型攻撃だけでなく、ファイアウォールなどでは特に対処が難しいアプリケーション層攻撃や状態枯渇攻撃などに対する高度な保護機能も提供する。
既存のセキュリティ製品が検知できずにマルウェアに感染してしまった場合など、企業ネットワーク内のデバイスから外部への不正な通信についても、検知してブロックを行うことが可能。感染したデバイスからC&C（コマンド＆コントロール）サーバーへの接続を遮断し、マルウェアの拡散や情報漏えいを防止する。また、フィッシングサイトへのアクセス制御やIoTデバイスによるDDoS攻撃の防御、その他重大なセキュリティインシデントにつながるマルウェアからの防御が行える。
アーバーネットワークスが活用する脅威レベル解析システム「ATLAS（Active Threat Level Analysis System）」は、インターネット全体の約3分の1を占める量のトラフィックから脅威のデータを収集・分析し、新たに発生したインターネット上の脅威と傾向について独自の脅威インテリジェンスを蓄積している。
AEDでは、この脅威インテリジェンスを活用して攻撃を特定するだけでなく、攻撃の構造や手法、関連する指標を判断するためのコンテキストを提供し、脅威の検知・防御の精度を高める。また、業界標準の脅威情報構造化記述形式であるSTIXおよび検知指標情報自動交換手順であるTAXIIに基づいて、他社の脅威インテリジェンスの取り込みも可能で、AEDでは300万以上の脅威インテリジェンスを取り込んで、機能劣化なしに動作する性能を備える。
製品はハードウェア一体型のアプライアンス、またはVMwareおよびKVMで稼働するソフトウェアの仮想アプライアンスとして提供。参考価格（税別）は、アプライアンスが350万円から、ソフトウェアが150万円から。
アーバーネットワークスの佐々木崇氏（SE マネージャー＆セキュリティエバンジェリスト）は、現在の企業の一般的なセキュリティ対策としては、ファイアウォールやIPS、エンドポイントセキュリティ、WAF、サンドボックスなどがあるが、DDoS攻撃対策は施されていないことが多いと指摘。セキュリティインシデントは被害があった時のみニュースで明るみに出るが、DDoS攻撃は現在でも全世界で1カ月に約60万件発生しており、攻撃は少なくなってはいないとした。
DDoS攻撃対策については、クラウドまたはISP側で大規模なボリューム型攻撃に対応するとともに、より高度な攻撃については企業のオンプレミス側で対応するマルチレイヤー防御がベストプラクティスだと説明。企業のネットワークの一番外側にDDoS攻撃対策製品を配置し、攻撃に備えることが重要だとした。
また、企業の一般的なセキュリティ対策におけるもう一つの課題としては、標的型攻撃による情報漏えいが挙げられると指摘。こうした攻撃への対策としては、特定の相手先への通信をブロックするレピュテーションブロックがあるが、この機能をファイアウォールやIPSで動作させるとパフォーマンスが低下することが多く、また暗号化通信（HTTPS）も増大していることから、TIG（Threat Intelligence Gateway）と呼ばれるジャンルの専用機器による対処が主流になっているとした。
佐々木氏は、DDoS攻撃対策製品もTIGも企業ネットワークの一番外側に配置される製品であり、この2種類を一体化した製品がAEDになると説明。300万以上の脅威インテリジェンスを取り込んで、機能劣化なしに動作する製品は他にない存在だとして、AEDの優位性をアピールした。
