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日本IBM、企業全体での戦略的かつ効率的なAI活用を支援するサービスやツール群を提供

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は4日、企業全体で戦略的かつ効率的なAI活用を推進するための包括的なサービスおよびツール群「IBM Services AI Enterprise Knowledge Foundation」を発表した。同日より提供を開始する。

 日本IBMによれば、企業におけるAI活用が急速に広まる中、1つの業務や事業部が実証を行う段階から、企業全体でAIを活用する時代へ変わりつつあるとのことで、IBM Watsonを早期に本番導入した企業では、Watsonを複数の業務プロセスに拡大して活用する事例が増えているという。

 しかし、こうした先進的な企業では、AIを企業全体で戦略的に展開・管理することが新たな課題になっているとのこと。そのため日本IBMでは、IBM Services AI Enterprise Knowledge Foundationにより、AIのシステム開発から継続学習までの一連のサイクルをサポートし、公平性および透明性を担保しながら業務の効率化を支援するとした。

 このソリューションは、AI活用の戦略策定から導入支援、AI人材の育成といった多様なサービスをまとめたサービス群と、データ、アルゴリズム、モデルなどのAI資産を、公平性かつ透明性を保ちながら統合的に管理し、システム構築・運用の品質向上や大幅な効率化を推進するツール群で構成されている。

 具体的には、

1)AI活用のための戦略策定、ロードマップの作成や管理、投資対効果のモニタリングなどを行う「AIマネジメント支援」
2)管理プロセスを定義して実行したり、訓練データ、モデル、アルゴリズム、検証データといったAIナレッジの管理を行ったりする「AIガバナンス支援」
3)新規プロジェクトを推進するためのユースケースの定義や、技術検証支援、本番導入支援を行う「AIプロジェクト導入支援」
4)既存プロジェクトにおいて、目標値(KPI)に対するダッシュボードの構築や運用、さらなる品質向上のための再学習を実施する「AI運用・再学習支援」
5)データサイエンティストの育成支援や、AIシステムに関するスキルの提供を行うとともに、AIの全社展開を図るための横断的な組織の設立支援も実施する「AI人材育成・スキル移管支援」

といった5つのサービスを提供。

 またツール群は、日本IBMが多数の顧客においてAIシステムの本番稼働を支援してきた実績をもとに、AIシステムに関するデータ、アルゴリズム、各種ツールなどの資産を統合的に管理し、再利用を可能にするものなどが用意されている。

 例えば、9月19日(米国時間)に米IBMが発表した、AIによる意思決定のバイアスを検出・軽減するソフトウェアサービス「Trust and Transparency capabilities」も、このツール群に含まれているとのことだ。