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サイオステクノロジーとSCSK、HAクラスタソフト「LifeKeeper」の新機能を開発

AWS上のWindowsアプリケーションを障害から自動復旧可能に

 サイオステクノロジー株式会社とSCSK株式会社は19日、サイオステクノロジーが提供するHAクラスタソフトウェア「LifeKeeper for Windows」において、Amazon Web Services(AWS)のクラウドサービス上でも容易にHAクラスタ構成を構築できる標準機能を共同開発したと発表した。これにより、WindowsワークロードのAWS移行を共同で推進するという。なお新機能は、同日リリースされる新版「同 v8.6.2」より利用できる。

 LifeKeeperは、システムの障害を監視し、稼働系に障害が生じた場合に待機系へ自動切り替えを行うことで、システムダウンタイムの時間を短縮するHAクラスタソフトウェア。通常のスタンバイ方式に加え、相互スタンバイ方式やN対1スタンバイ方式など、柔軟なHAクラスタ構成をサポートしており、クラウド環境や仮想環境にも対応している。

 一般に、多くのクラウドサービスでは、システム障害やOSの異常終了時にリカバリを自動で行う機能を備えているが、アプリケーションレイヤまでの可用性は利用者側の責任で確保する必要があるという。しかしLifeKeeperでは、クラウド上のシステムをHAクラスタ化することで、障害時の素早い自動復旧を実現しており、SAPをはじめとした基幹システムにおいても多くの利用実績を持つとのこと。

 一方で、基幹システムのクラウド移行においては、構成要素の一部が既存のオンプレミス環境に残ることもあるため、専用線経由でAWSと通信する必要があるなど、複雑化・多様化しており、各システムで個別に作り込むなどの対策が必要とされている。

 今回、サイオステクノロジーとSCSKでは、Amazon EC2上で「ルートテーブルシナリオ」と「Amazon Route53のDNSレコードのIPアドレスの書き換え」により、Windows環境において、アプリケーションレイヤまで含めた障害復旧や自動切り替えを実行できる機能を、共同で開発した。

 両社は、これにより、従来の可用性を維持したシステムをクラウド上でも容易に利用し、クラウド移行時の課題を解決できるとアピール。今後、セミナー開催などのマーケティング活動、および実際の提案・営業活動を共同で展開し、WindowsワークロードのAWSへの移行を進めるとのことだ。