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国内データセンター利用企業調査、大企業でも外部データセンターの利用経験/予定がない企業が1割を超える~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は10日、2018年の国内データセンターサービスユーザー調査結果を発表した。調査では、外部データセンターサービスの利用は全体に拡大傾向を続けているものの、利用経験も利用予定もない企業が、中小企業(従業員数10~99人)では4割、案件規模が大きくなりやすい大企業(同1000人以上)でも1割を超えており、大企業においても顧客の新規開拓の余地はあるとしている。

 調査は、国内企業/団体の外部データセンターサービス利用者を対象としたアンケートにより、利用中のサービスや将来の予定などに関する回答をまとめ、分析したもの。

 企業が外部データセンターサービスを利用する理由としては、中小企業を中心にセキュリティ対策を挙げる企業が多い。一方で、外部データセンターサービスを利用しない理由として、セキュリティ上の不安を挙げる企業も少なくなく、特に大企業では50.9%(複数回答)と突出して高い回答率を示している。

 加えて、利用する外部データセンターサービスの選定の際、信頼性/可用性や価格に次いで、地震などの災害に対する対策を挙げる企業も多く、これらの対策を充実させることが、市場拡大にプラスの影響を与えると考えられるとしている。

従業員規模別 外部データセンターサービスを利用しない理由(抜粋)(出典:IDC Japan)

 外部データセンターサービスに対する支出動向を見ると、大企業においてもサービスの利用に消極的な企業は根強く存在するが、おおむね従業員規模に比例して支出額が上昇する傾向が見られると指摘。また、今後1年間で外部データセンターサービスに対する支出額を増加させると回答した企業は全体で6割を超え、特に中堅企業(従業員数100~999人)では66.4%に上っている。

 IDC Japanでは、国内データセンターサービス市場は拡大傾向を続けており、さらに新規顧客開拓の余地もまだ残っていると分析。IDC Japan ITサービス シニアマーケットアナリストの吉井誠一郎氏は、「セキュリティ対策、そして地震など災害への対策を充実させることが、企業に対する安心感を与え、外部データセンターサービスの利用のさらなる拡大につながるであろう」とコメントしている。