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富士通とSEEDS Asia、スマホアプリを活用した洪水対策の実証実験をインドで実施

 富士通株式会社と特定非営利活動法人SEEDS Asiaは23日、インドにおける洪水対策ならびに国民の防災意識向上に向けて、AR技術を含むスマートフォンアプリを活用し、洪水の水位測定および地図上で都市浸水の様子を可視化する実証実験を開始すると発表した。ゲリラ豪雨が多発する2018年7月から9月まで、浸水被害が多いインド都市部のヴァーラーナシー県で実施する。

 インドでは、ゲリラ豪雨による都市部の洪水被害の拡大が深刻化しており、洪水による都市浸水の様子を的確に把握し、迅速な避難指示につなげる仕組みが求められているという。

 実証実験では、スマートフォンアプリを使用し、現地の高等学校7校の職員と生徒、バナラス・ヒンドゥー大学の学生、ヴァーラーナシー県災害管理委員会が協力を募ったヴァーラーナシー市住民などが、12カ所の降雨時の水位を定時に測定する。これらの測定データを地図上で即時に見える化し、住民への迅速な避難指示につなげるほか、ハザードマップとして活用できる防災情報取得の有効性を検証する。

 水位測定は、一般道路に駐車された車のタイヤにかかる水位を目視で確認し、水位レベルに応じて設定された3パターンから選択する「危険レベル選択式」、学校に設置したスケールメジャーで水位を目視で確認し、スマートフォンに数値を入力する「水位入力式」、スマートフォンに表示した写真画像上に、ARマーカーによりスケールを重畳表示し、画像の水面をタップすることで水位が数値化される「AR測定式」の3種類を測定場所に応じて使用する。

 測定した数値や撮影した画像はクラウドに送信され、測定結果を3段階の被害レベルとともに地図上で可視化。測定データおよび都市浸水の様子を可視化した地図が、住民への避難指示などに活用するハザードマップとして有効かどうかを検証する。