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トヨタ自動車、全社共通の経理情報基盤にSAP S/4HANAおよびSAP HANAを導入

 SAPジャパン株式会社は23日、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)が新しい全社経理情報基盤に、SAPの次世代ERP「SAP S/4HANA」とカラム型インメモリーDBプラットフォーム「SAP HANA」を採用したと発表した。

 トヨタでは、より業務・ビジネスに効果的・効率的に利活用できる情報連携の仕組みを構築すべく「全社情報高度化」を推進しており、財務会計の領域では既存業務の効率化とともに、さまざまな経営環境変化に迅速に対応できる変化対応力を向上させるべく、グローバルに標準化された会計システムの導入を進めた。

 新システム導入においては、SAP S/4HANAが最新のテクノロジーにおいても先進的で将来性に富んでいることが評価され、今回の導入に至ったと説明。また、SAP S/4HANAのプラットフォームであるSAP HANAは、トランザクション処理(OLTP)と分析処理(OLAP)を一つの仕組みでリアルタイムに実行できるアーキテクチャとなっているが、顧客が独自にアプリケーションを開発する場合にもこのプラットフォームを活用することができるため、高速部品展開などのコア機能を柔軟に実装できる点も大きく評価されたという。

 SAPでは、トヨタがSAP S/4HANAとSAP HANAを統合的に活用することで、扱う情報の範囲、量、スピードがそれぞれ飛躍的に向上し、従来にないレベルでの業務高度化が早期に実現できるようになると確信していると説明。

 トヨタ自動車の北沢宏明氏(情報システム領域長・常務理事)は、「今回のシステム導入により、今後10年、20年先を見据えたトヨタの全社経理情報基盤の整備が実現します。経理部門は“経営の羅針盤”として、事業の成長戦略策定や潜在リスク、将来リスク管理などに能動的に対応できるようになり、さらに経営者や幅広い事業部門がタイムリーかつ精度の高い経理情報を活用することで、トヨタ全体としても将来の変化に迅速に対応することが可能となると期待しています」と述べている。