ニュース

日立、データサイエンティストの育成を加速、2021年度までに国内外グループ会社で3000人に増強

 株式会社日立製作所(以下、日立)は21日、デジタルソリューションのさらなる拡大に向けてデータサイエンティスト育成を加速し、国内外の日立グループ会社においてデータサイエンティストを現在の700人から2021年度までに3000人に増強すると発表した。

 日立では、AI、IoTやビッグデータ利活用など進展するデジタル技術を活用したスピーディーなデジタルトランスフォーメーションがさまざまな企業で求められる一方、データ分析の専門家であるデータサイエンティストの世界的な不足が課題となっていると説明。

 こうした状況を受け、OT(Operational Technology:制御・運用技術)×ITによるデジタルソリューションに対応できる日立グループ会社のデータサイエンティストをグローバルに育成・強化するため、スキル要件と育成プログラムを整備するとともに、トップクラスの研究者や各分野の実務者が相互に研さん、支援する「プロフェッショナル・コミュニティ」を立ち上げる。

 日立はこれまで、情報処理学会の「認定情報技術者制度(CITP制度)」に準拠した高度IT人財の社内認定制度を立ち上げ、国内での人財育成を推進してきたが、データサイエンティストにはIT分野だけではなく、鉄道、産業などのOT分野での業務知識やデータ分析のスキルがますます必要になりつつあると説明。取り組みでは、データサイエンティストのスキル要件として、一般社団法人データサイエンティスト協会の定義をベースに、OT分野におけるスキル要件や、高度なAI技術を担うトップクラスの研究者のスキル要件を追加し、合わせて育成プログラムも強化していく。

 今後は、取り組みの成果として、スキル要件や育成プログラムを、データサイエンティスト強化に関心のある顧客やパートナーなどと共有するとともに、技術や市場の変化に合わせて継続的に見直していく。

 また、データサイエンティスト育成・強化の仕組みとして、従来の研修やOJTなどの育成プログラムに加え、AIなどの先進技術や事例、ノウハウの共有、課題に対する解決手法に関するディスカッションを促進するプロフェッショナル・コミュニティを立ち上げる。具体的には、データサイエンティストが直面するさまざまな課題に対して、高度なAI技術を生み出した国内外のトップクラスの研究者やOT×ITによるデジタルトランスフォーメーションの経験をもつ実務者が、相互に情報提供やアドバイスをするなど、日立グループ内で、データサイエンティストの相互啓発的かつ実践的な学習を支援する。

 さらに、日立グループ内のデータサイエンティストのスキルをグローバルな人財マネジメント統合プラットフォームに登録して活用することで、データサイエンティストの定量的な把握および見える化を推進するとともに、ビジネスに必要な人財へのリーチを容易にする。また、人財育成の効果測定、適切な採用や人財配置などにも生かしていくとしている。