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沖縄海邦銀行がネットワーク環境を刷新、ISDNによるバックアップ回線をモバイルネットワークへ移行

 NECネッツエスアイ株式会社は24日、株式会社沖縄海邦銀行が、ISDNのディジタル通信モードの提供終了を見据え、行内ネットワークを刷新したと発表した。NECネッツエスアイの法人向けモバイルネットワークサービス「ネッツワイヤレス」や無線LANを活用した、新たなネットワーク構成を採用している。

 金融機関では、バックアップネットワーク用の回線としてISDNのディジタル通信モードを広く利用しているというが、この回線は2024年1月の提供終了が予定されており、新たなネットワークへの置き換えが必要になっている。

 また沖縄海邦銀行では、勘定系と情報系の両ネットワークで、それぞれについてメイン回線とバックアップ回線を利用しているが、それらで利用している機器の老朽化によって、故障リスクが高まっていたという。

 さらに、通信トラフィックの監視は行っていても、その中身や実態まではとらえきれておらず、障害発生時の原因特定にも時間がかかっていたとのこと。加えて、画像や音声といったリッチコンテンツの増加などにより、回線トラフィックが圧迫されていたことも課題だった。

 そこで同行は、勘定系、情報系を含む構内ネットワークの刷新を決定。複数ベンダーの提案を比較・検討した結果、NECネッツエスアイの提案を採用している。

 同社の提案は、メイン回線は有線のVPNで増速を図り、バックアップ回線にLTEベースの閉域ネットワーク「ネッツワイヤレス」を活用する、といったもの。物理的な回線断が発生してLTE通信は継続できるため、可用性が向上する。さらに各拠点に無線LANアクセスポイントを設置し、行内ネットワークをバックボーンとした無線LAN環境を整備した。

 当初、沖縄海邦銀行では、無線ネットワークであるLTEの利用には不安を抱いていたというが、NECネッツエスアイは全店舗108カ所の電波状況を調査し、通信の接続性と安定性に問題がないことを目に見える形で示して、不安を払しょくしたとのこと。

 また、電子証明書認証とAES暗号化でセキュリティを確保。信頼性についても、NECネッツエスアイのnTOC(ネットワークトータルオペレーションセンター)により24時間365日体制でネットワークをリモート監視し、障害を早期発見できるようにしている。

 移行作業には深夜・早朝を利用し、2017年10月から順次実施。全店舗の移行作業を実質4カ月という短期間で完了させた。

 従来は各店舗1Mbpsだったネットワークが、移行後は10Mbpsへ増速されており、従業員はネットワークの高速化による効果を実感しているとのこと。LTEを含む行内ネットワークがnTOCで集中管理されるようになったことで、管理性も向上したとしている。