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セールスフォース、小規模企業向けのCRMクラウドサービスを国内提供開始
2018年5月18日 06:00
株式会社セールスフォース・ドットコム(以下、セールスフォース)は15日、小規模・スタートアップ企業向けCRMアプリケーション群「Salesforce Essentials」の国内提供開始を発表した。
Essentialsの第1弾として提供されるアプリは、営業チーム向けの「Sales Cloud Essentials」とサービスチーム向けの「Service Cloud Essentials」。2つのアプリとして提供されているが、入り口となるメイン画面が違うだけで、どちらからも同じ機能を利用できる。つまり、各ユーザーが自分の業務に合わせ、SalesかServiceを選択するという仕組みだ。
セールスフォース 専務執行役員 コマーシャル営業の千葉弘崇氏は、国内の企業全体の85.1%は小規模企業であるという中小企業庁の調査結果を示し、これらの小規模企業では「営業が俗人的」「1人がいくつも役割を兼任」「ITの専任部門が存在しない」といった課題を抱えていると指摘。収益に直結し、導入が容易なITシステムの必要性が高まっていると説明した。
すでに2017年11月からEssentialsの提供を開始している米国では、従業員数20名以下の小規模企業での導入事例が多く、平均して3ユーザーのライセンスを導入しているという。
このような小規模企業が抱える課題を解決することを目的としたEssentialsは、上位エディションであるProfessionalとほぼ同等の機能を利用可能で、春、夏、冬と年3回の機能アップデートも行われる。
セールスフォース マーケティング本部 プロダクトマーケティング シニアディレクター 御代茂樹氏は、上位エディションとほぼ同等の機能を小規模企業にも展開することについて、「表計算ソフトや紙ベースで顧客管理や名簿管理をしている企業でも、経営者は顧客分析が重要だと理解している。しかし、『顧客管理』が単なるリストの管理になっており、十分な顧客情報が共有されずに属人的な営業活動しかできていない。CMRによる顧客管理とはどのようなものか、どのようなメリットがあるのかを広く知ってもらうため、1社でも多くの小規模企業のお客さまにEssentialsを導入していきたい」と説明した。
IT専任の部門がない小規模企業のため、Essentialsはユーザー自身で導入や設定が容易に行えるようなシンプルなアプリとして提供されている。
また、チュートリアルやオンライントレーニング「Trailhead」の仕組みを使って、Essentialsの使い方をはじめ、そもそも顧客管理とはどういうものなのか、顧客データを活用するにはどうしたらいいのかといった知見も提供していくという。
さらに、セールスフォースが開発している人工知能(AI)機能「Einstein AI」を利用し、メールや営業データから、案件と顧客情報をひもづける機能も提供している。
なお、Essentialsはあくまでも新規の小規模顧客向けであるため、最大5ユーザーまでという制限がある。また、独自開発用のカスタムオブジェクトも利用できない。
さらに、過去にセールスフォースと契約したことのある企業もEssentialsを契約できないため、1つの企業内で異なる部門がそれぞれ個別に契約する、といった導入形態にも対応しない。
これに関して、御代氏に「小規模向けとはいえ、アカウント数の制限は厳しいのではないか」と質問したところ、「米国においても小規模企業のアクティブユーザー数の平均は3名で、それほどの利用者は必要ないと考えている。逆に全社を挙げてCRMを活用したいという、意識の高い顧客に対してはProfessionalをおすすめしている」との回答だった。
Essentialsのサブスクリプション価格は、1ユーザーあたり月額3000円。なお、上位エディションであるProfessionalは、月額費用9000円で提供されている