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マカフィー、買収したSkyhighのCASB製品を日本で展開、日本のクラウドセキュリティ市場のシェア50%以上を目標に
2018年4月23日 13:46
マカフィー株式会社は20日、2018年の法人向け事業戦略を発表した。2018年はクラウドセキュリティ分野に注力し、買収した米Skyhigh Networks(以下、Skyhigh)のCASB(Cloud Access Security Broker)製品を日本でも展開、日本でのクラウドセキュリティ市場の売上シェア50%以上を目標にするとした。
マカフィー代表取締役社長の山野修氏は、国内パブリッククラウド市場が2021年には1兆円規模に達するという予測がある一方、企業にはクラウドサービスの活用による懸念があると説明。実際に、顧客情報や機密情報がクラウドサービスから漏えいする事態も相次いでおり、安全なクラウド活用を促進するCASB製品の重要性が増しているとした。
CASBとは、複数のクラウドサービスについて、シャドーIT(従業員による管轄外のサービス利用)の状況を把握する機能や、クラウドへのアップロードや非管理端末へのダウンロードの制御、機密データの共有状況把握やデータの暗号化・保護といった機能を提供する製品のことを指す。
米本社のMcAfeeが2018年1月に買収を完了したSkyhighは、CASB市場におけるリーダー的存在であり、マカフィーでは同社のソリューションを「McAfee Skyhigh Security Cloud」として販売していくと説明。日本においても、クラウドセキュリティ営業本部を2月に設置し、販売を推進していくとした。
Skyhighのソリューションは、SaaS、PaaS、IaaSなどを含む、すべての使用中のクラウドサービスを把握し、客観的なリスクアセスメントを行い、データ流出を示唆する事態の検知や、他社との比較による全体的なリスクを数値化などが可能。アクセスコントロールの強度、クラウドの暗号化とトークン化、行動の監視、クラウド上のデータ損失対策など、幅広いポリシー設定オプションを利用できる。
さらに、マカフィーが従来から提供するMcAfee Web GatewayやMcAfee Network Security Platformなどに、McAfee Skyhigh Security Cloudを加えることで、マカフィーのクラウドポートフォリオを強化し、クラウドを保護するだけでなく、ビジネスにとって最も安全な環境を実現することを目指すとした。
山野氏は、SkyhighのCASB製品は世界で600社以上に利用されており、日本においてもすでに200社以上から問い合わせがあると説明。導入事例としては、日本特殊陶業株式会社がシャドーIT対策として活用しているケースや、日系のグローバル製造業がOffice 365の制御に活用しているケースを紹介。また、紹介した事例以外でも、製造業からの問い合わせは多く、製造業はグローバルな活動や取り引きも多いことから、こうした対策の導入にも積極的なのではないかという見解を語った。