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MKI、ブロックチェーン技術で改ざん耐性を実現する英Billonの文書管理ソリューション「Durable Media」のマーケティングを開始

 三井情報株式会社(以下、MKI)は20日、英Billon Groupが開発した、ブロックチェーン技術を利用して、文書の改ざんや消失を防ぐ文書管理ソリューション「Durable Media」のマーケティングを開始した。

 MKIでは、2017年11月からBillonの独自分散型台帳技術(Distributed Ledger Technology、以下DLT)を利用したデジタル通貨発行ソリューションに関する国内およびアジア地域でのマーケティングを行っており、さらにDurable Mediaについても取り組みを拡大することで合意。両社は2018年中のPoC(概念実証)開始を目指す。

 今回、MKIがマーケティングを開始するDurable Mediaは、ブロックチェーン技術の改ざん耐性と分散管理という特徴を活用し、保存された文書の改ざんや消失の可能性を事実上排除した文書管理と個人情報保護のためのソリューションとなる。

 MKIでは、EU一般データ保護規則(GDPR)や、第二次金融商品市場指令(MiFID Ⅱ)が日本でも注目を集めているが、EUでは近年、情報管理の厳格化が進み、金融機関、行政機関、公益事業会社(電気、ガス、水道)など幅広い業界に影響が出ていると説明。Durable Mediaはこれらの規制に準拠し、既にポーランド国内の個人信用情報機関においてPoCを終えているという。

 Durable Mediaでは、セキュリティやスケーラビリティを確保したブロックチェーン上に、ハッシュ値のみならず文書全体を暗号化して保管する。保管後は読み取り専用のアクセス権のみが発行され、従前の一極集中型のサーバーを利用した文書管理システムで一般的に使われる管理者用特権IDなどが存在しないため、一般ユーザーだけではなく特定の管理者やサービスプロバイダーによる改ざんや削除を防ぐことが可能になるとしている。

 さらに、アクセス可能なユーザーを制限して個人情報を保護する機能や、ドキュメントのタグ付け・分類・検索などの機能を備え、安全で効率的な文書管理を実現。現在までの取り組み事例としては、金融機関が一般顧客に向けてウェブサイトに提示する住宅ローン金利や外国為替レートの情報や、保険・信託などの個別契約書の保管に加え、画像・音声等の保管についても検討が進められているという。

 MKIでは、幅広い産業領域におけるビジネスで蓄えた知見を活かし、欧州で高い評価を受けるBillonのブロックチェーン技術を利用したソリューション群を日本やアジアで活用すべく、Billonとともにマーケティング・PoCを進めていくとしている。