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SAPジャパン、「SAP Fieldglass」を日本市場で提供開始
企業と専門人財をマッチングするシェアリングプラットフォームを実現
2018年4月18日 06:00
SAPジャパン株式会社は17日、企業の専門人財に対するニーズに迅速に対応する「人財シェアリング」プラットフォーム「SAP Fieldglass」を日本市場向けに提供開始したと発表した。同日に行われた記者発表会では、「SAP Fieldglass」を日本市場でリリースする背景や狙い、製品の概要について説明した。
「SAP Fieldglass」は、人財のシェアリングエコノミーを可能にするクラウドプラットフォームとして、企業に向けてオンデマンドで専門スキルやサービスを供給する最先端の仕組み。ERPでトップの実績をもつSAPの知見を最大限に生かし、企業と人財をマッチングする人財のシェアリングプラットフォームを提供するという。
今回、「SAP Fieldglass」を日本市場で展開する背景について、SAPジャパン 代表取締役社長の福田譲氏は、「現在、日本でも働き方の多様化が進みつつあり、雇用側と働き手側それぞれのニーズが大きく変化している。雇用側では、専門スキルをもった人財を、タクシーを呼ぶように、欲しいタイミングにシンプルに出会いたいというニーズ。一方、働き手側は、自分のスキルを強みにして、その専門性を高く評価してくれる会社と出会いたいというニーズが高まっている。この需給をマッチングさせるプラットフォームとして、『SAP Fieldglass』をリリースする」と述べた。
「『SAP Fieldglass』は、世界180か国で、業種を問わず650社以上に利用されており、Forrester調査のサービス調達分野においてリーダーに認定されている。また現在、『SAP Fieldglass』のプラットフォーム上では、年間4兆円、1日当たり100億円以上のサービス調達が行われている。そして、顧客継続率は99.6%に達しており、非常に満足度の高いサービスと価値を提供していることが証明されている」と、福田氏は、グローバルで多くの実績をもつ人財シェアリングプラットフォームであると強調した。
日本国内での提供に当たっては、労働者派遣法を含むコンプライアンスや日本の固有要件にも準拠し、人財シェアリングにおけるプロセスの透明性を高め、全社最適化を支援するという。主な機能としては、人財情報を共有するタレントプール、派遣法に対応した雇用契約管理と採用プロセス、業務委託契約(準委任・請負)に対応したサービス調達管理、人材の入社時支援(教育・研修プロセス)/退社時支援(退職・離職プロセス)の自動化、36協定(深夜手当、休日手当などの算定ルール)に準じたタイムシート管理、マシンラーニングによる予測型ダッシュボード「Live Insights」などを提供する。
「SAP Fieldglass」の導入メリットについて、SAPジャパン SAP Fieldglass事業本部の大澤毅本部長は、「これまで企業は、専門人財を募集する際、各部署ごとに人財サービス会社を介して照会していたため、全社的な人財の見える化ができていなかった。これに対して、『SAP Fieldglass』では、企業と人財サービス会社をつなぐプラットフォームとして、各部署の専門人財の情報を横ぐしで可視化することができる。例えば、部署Aで契約している専門人財のスキルや評価をシェアリングしておくことで、契約が切れる際に、その人材を必要とする部署Bで新たに契約し、社内で適正な人材配置を行うことが可能になる」と説明した。
また、マシンラーニングによる予測型ダッシュボード「Live Insights」も大きな特徴で、「『Live Insights』は、SAP Leonardoで稼働しており、グローバルな人財データを平準化したベンチマークを提供する。これによって、求める専門人材を的確に検索できるレジュメマッチングや、ベンチマークを活用した人財調達のシミュレーション、さらにはシミュレーションに基づく人財計画の立案など、より最適化した人財シェアリングを実現する」(大澤本部長)としている。
今後の「SAP Fieldglass」の展開としては、「クラウドサービスの利点を生かして3か月ごとに機能強化を行うとともに、日本版テンプレートによる短期間導入の実現を目指す。また、『Live Insights』に日本のデータを蓄積し、さらに拡充していく。エコシステムの拡大にも取り組み、外部の人財関連サービスとの連携を強化し、利便性の向上を図るほか、日本の主要人財サービス会社とも連携し、新しい市場を創出していく」(大澤本部長)との考えを示した。
なお、「SAP Fieldglass」の国内第1号ユーザーとして、アビームコンサルティング株式会社での導入が決定している。同社では、「SAP Fieldglass」の導入により、グローバル全体での人財シェアリングを目指し、人財獲得プロセスの可視化実現による業務の効率化、また適材適所での要員配置をはじめとした労働力の適正化などに取り組む。さらに、日本だけでなく、米国、中国、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、韓国にもSAP Fieldglassを導入し、グローバルガバナンスを図る。