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三菱電機、マカフィーと連携して制御システム向け統合型セキュリティ防御システムの開発に着手

 三菱電機株式会社は12日、マカフィー株式会社と連携し、原子力発電所やプラントなどの制御システムに対する高度なサイバー攻撃を、マカフィーから提供されるサイバー攻撃データを活用して早期に検知して防御する、統合型セキュリティ防御システムの開発に着手すると発表した。

 三菱電機では、近年では重要インフラ制御システムへのサイバー攻撃が増加し、海外では大規模な停電や設備破壊などの被害が発生しており、国内においてもサイバー攻撃からのインフラ保護が課題となっていると説明。原子力発電所などの重要インフラ制御システムにおいては、さらなるセキュリティ強化が求められており、こうした状況を踏まえ、統合型セキュリティ防御システムの開発に着手する。

統合型セキュリティ防御システムの概要

 外部からだけでなく過失や故意による内部脅威を含めた高度なサイバー攻撃に対応した新たなセキュリティ防御システムの実現に向け、マカフィーからサイバー攻撃データの提供を受け、制御システムに対する特有なサイバー攻撃を早期かつリアルタイムに検知するアルゴリズムを開発する。

 三菱電機では、マカフィーが持つ豊富なサイバー攻撃データの活用により、サイバー攻撃検知技術を向上させるとともに、これまで培ってきた重要インフラ制御システム技術を融合。さらに、三菱電機の入退管理システムや監視カメラシステムなどの物理セキュリティーと組み合わせて、重要インフラに適した統合型セキュリティ防御システムを実現するとしている。

 今後は、サイバー攻撃リアルタイム検知アルゴリズムの開発・検証を強化するとともに、実際の重要インフラに設置されている計算機やコントローラーとのインターフェイスやセキュリティ統合監視画面の開発により、統合型セキュリティ防御システムのパッケージ化を進め、2020年に発電所制御システム向け防御システムの実用化を目指す。