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日本道路、工事現場に散在するPC 2500台の業務データ保護をAvamarとData Domainで実現

 株式会社ネットワールドは3日、道路建設/舗装を手がける建設会社の日本道路株式会社が、ネットワールドが提供するDell EMCのデータ保護ソリューション「Dell EMC Avamar」と「Dell EMC Data Domain」を採用し、本格稼働を開始したと発表した。システムの導入・構築は、同社のグループ企業でIT担当のエヌディーリース・システム株式会社と、ITパートナーのリコージャパン株式会社が担当。全国の拠点や建設現場で稼働する約2500台のPCの業務データ保護に、両製品を利用しているという。

 さまざまな工事現場などでPCを利用している日本道路の場合、ほこり、ちりの多い現場では、PCの内蔵HDDが障害を起こすことがあり、多額の費用を払ってデータサルベージ会社に復旧を依頼していたという。さらに最近では、サイバー攻撃への対応も大きな課題となっており、現場PCのデータを本社側でバックアップできる環境の整備に着手した。

 現在、同社が担当する数百カ所規模の工事現場では、約2500台以上のPCが稼働しているが、中には、光/ケーブルTV回線はもちろんのこと、ADSLさえも引かれていないようなところも含まれている。さらに、IT要員がすべての現場に居るわけではなく、従業員が特別に意識しなくても自動バックアップが行えるような仕組みが求められていた。

 そこでリコージャパンでは、同社での導入実績も豊富なAvamarとData Domainの組み合わせが最良と判断し、両製品を用いてシステムを構築。2017年7月より本番稼働を開始した。データの保存場所は、セキュリティポリシー上の理由からオンプレミス構築を選択している。

 独自のグローバル重複排除機能を持つAvamarは、クライアント側で重複排除を行った上でユニークなデータだけを転送する仕組みにより、十分な回線帯域が確保できない環境でも、確実なバックアップを行える特徴を持つ。各クライアントのバックアップは、PCの稼働率が最も低い昼休みに実行し、重複除外機能により2回目以降は差分データだけが転送されるため、ほとんどの拠点でおおむね5分以内でバックアップが終了しているとのこと。

 また日本道路の現場のPCには、バージョンが異なる同一の書類が保存されていることも多かったため、重複排除は容量削減のために威力を発揮。圧縮・重複排除率が最大99%以上になったケースもあり、期待以上の成果を上げたという。

 なお、社内への展開は、AvamarのエージェントをPCに導入するためのインストーラを社内ポータルサイトの掲示板にアップし、これをユーザー側で実行してもらう形で進めたが、インストーラの指示に沿って数クリック程度の操作を行うだけで、各現場のユーザーに大きな負担をかけることもなく短時間で作業が完了した。

 バックアップデータは、Data Domainとの連携を行うことで、効率的な保管や運用管理の一元化も実現。日本道路では、過去30日分のデータを保持し、ユーザーからの要望に応じて復旧を実施しているが、要望があったとしても作業内容は非常に容易であり、かつ復旧データの転送も重複排除機能により高速に完了するため、導入前に比べ非常に楽な運用が実現しているとのこと。

 日本道路は今後、Data Domainをさらに活用し、バックアップ対象フォルダの拡大や業務用アプリケーションサーバーのバックアップなども検討していく考えだ。