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2017年の国内ビジネスコンサルティング市場は前年比8.2%増の3921億円、企業のDXへの取り組みが高成長を牽引~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は27日、国内ビジネスコンサルティング市場予測を発表した。2017年には企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に関わるさまざまなコンサルティング需要が牽引し、2017年の同市場規模は前年比8.2%増の3921億円となった。

 今回の調査では、前年調査時点の予測から上方修正となった。これは、主要コンサルティングファームによる積極的なコンサルタント採用の継続や、新卒一括採用を進めてきた多くの国内顧客企業において、いわゆる「就職氷河期」世代などの、DXを担うべき層における人材不足が深刻化し、コンサルティング利用需要を喚起していることが影響しているという。

 サービスセグメント別では、戦略、財務/経理、業務改善(オペレーション)、組織/変革、GRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)その他の全5領域で、2017年は前年比6%を超える成長となった。特に、戦略コンサルティングは、デジタル戦略の策定支援におけるデザインアプローチを活用した発想/ビジョン策定段階からの支援といった、より全社/包括的なDX支援型案件の増加などで、9.3%の高成長となっている。

 産業分野別でも、2017年には金融、製造、流通、通信/メディア、政府/公共、その他のいずれの分野でも5%を超える成長となり、特に金融分野における成長率は前年比8.8%と高く、ビジネスモデルの見直しや、業務プロセスの見直しを含む生産性の向上の支援案件が増加したとしている。

 IDC Japanでは、DX支援に関わるビジネスコンサルティング市場を「デジタル関連ビジネスコンサルティング市場」として予測している。具体的には、前述のデジタル戦略をはじめ、クラウド、アナリティクス、モビリティ、ソーシャルといった第3のプラットフォームの導入/活用、あるいは同プラットフォームを通じて提供されるIoTやコグニティブ/AIシステム、ロボティクス、サイバーセキュリティ対策などの導入/活用に関わるビジネスコンサルティング案件が含まれる。

 デジタル関連ビジネスコンサルティング市場の2017年の支出額は、前年比47.7%増の505億円と高い成長を遂げており、2022年までのビジネスコンサルティング市場全体の成長を牽引していくと予測している。

 今後については、主要コンサルティングファームの採用ペースに衰えが見られないことや、外資系コンサルティングファームにおける国内市場への注力と投資が進んでいること、DXの概念がより主流派の(一般的な)企業の経営層に浸透しつつある中で、実践方法に悩む顧客からの需要が継続的に発生することなどから、国内ビジネスコンサルティング市場は2018年以降も高成長を継続。2017年~2022年の年間平均成長率は7.4%で拡大し、2022年の支出額は5612億円に達すると予測している。

 IDC Japan ITサービス シニアマーケットアナリストの植村卓弥氏は、「ビジネスコンサルティング事業者にとって、DXの支援に関わる活発な需要に応えるためのデリバリー能力の拡大はもっとも重要な課題の1つとなる。ただし、単に人員を拡大するだけでなく、DX支援に向けた最適な体制やファシリティ、新たな方法論などを再構築することが求められる」と述べている。

国内ビジネスコンサルティング市場 支出額予測:2017年~2022年(出典:IDC Japan)