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人脈は企業の生命線―― システムズナカシマ、人脈相関図の作成サービスを提供開始

 株式会社システムズナカシマは、人脈相関図作成サービス「人脈Master」の提供を3月1日より順次開始する。

 クラウドベースのパーソナル版は3月1日から1000人限定で無償提供。法人などが利用するオフィス版は、最低10人以上の利用で1人あたり500円、初期設定費用が5万円。5月の提供開始を予定している。

人脈Masterの特徴
ラインアップ

あえて1件ごとに相手の情報を手入力する「人脈管理システム」

 システムズナカシマは、岡山県に本社を置く企業で、船舶推進器のナカシマプロペラ株式会社のシステム部門が分離独立し、1985年に誕生した。

 「自社開発CADの販売に始まり、18年前には『営業マンの動きを管理したい』という要望に基づいて、今でいうSFA(営業支援システム)の『NICE営業物語』を開発した。当時は通信環境が整備されていなかったこともあってまったくダメだったが、それから18年経って、使いやすくてよい製品との評価もいただくようになった。現在は、サイボウズのkintone上で動くものも開発している」(システムズナカシマの専務取締役 橋本幸夫氏)。

システムズナカシマの専務取締役 橋本幸夫氏

 今回発表した人脈Masterは、橋本氏の発案で開発したサービスだ。

 「先頭に立って営業を行っていたころにはわからなかったが、年を重ねて人脈は本当に大切だと痛感するようになった。実は『人脈がある』と豪語する人ほど、たいした人脈を持っていないことも多い。営業職に人脈は不可欠だが、営業職は会社を変わることも多いために、個人の人脈が継承されないといった課題もある。SNS上で提供されている人脈相関図サービスを見たパートナーから、『こんなソフトがあったらいいね』という声があり、自分で人脈を入力する今回のソフトの開発に着手した」と、開発に取り組んだ経緯を説明した。

 製品化にあたって参考としたのが、SNS上で紹介されている人脈サービス。インターネット上のデータを読み込んで自動的に人脈を作成していくサービスが多いため、誤った情報が掲載されることも多いが、「人脈を相関するという点では有効だと感じて社内で同じように可視化できるものが作れないか?と社内のエンジニアにリクエストした」という。

 ただ、「当初は開発が難しいということだったが、2017年夏、あらためて私が手書きした人脈リストをベースに、こういうものを作ってほしいとリクエストした。その結果、若手エンジニアが描画ツールを探し出し、思っていたものを開発してくれた」と、完成までのエピソードを述べた。

 人脈というと名刺情報を管理するソフトと同一視されることが多いが、「名刺情報はあくまでも出会っただけの相手。人脈と呼べないつながりまでが登録されている」と名刺情報とは異なると強調する。

 その人脈Masterでは、名刺管理ソフトとは異なり、簡単な個人の情報を入力して簡単な操作で人脈相関図を作成する点が特徴だ。名刺管理ソフトは、名刺を入手した相手の情報をどんどん取り込んでいくが、人脈Masterでは、あえて1件ごとに相手の情報を手入力し、確実に人脈といえる関係がある相手の情報だけを人脈として登録していく。

 「会いたい」といえば面談してくれる相手や、仕事を依頼できる相手だけを、自分の手で登録することにこだわった。

 その結果、当初想定していた「営業相手を社内で共有する」といった使い方に加え、ビジネス交流会などの活動で培った人脈、医師会など特定業種での人脈を整理していくにも使えるという。また、個人の履歴を登録していくことで、タレントマネジメントなどのデータとしての活用が可能になる。

 さらには、OBが保有していた人脈の継承、経営者が持っていた人脈の継承といったビジネスで使えるのではないか、という声が上がっているとのこと。

 またビジネス以外でも、サークル活動やPTAなどの学校活動に活用し、行事などの際に付き合う業者を登録すれば、世代を超えて情報を共有できるのではないか、という声もあるとした。

人脈Masterの活用シーン

 なお、オフィス版はパーソナル版の機能に加え、複数人の人脈を共有して閲覧、横断検索を行う機能や、システムズナカシマが提供する営業支援システム「NICE営業物語」の情報とひもづけて管理する機能も備えた。オンプレミス版の提供やカスタマイズにも対応する。

 現在のバージョンはスマートフォンからの閲覧は行えないが、今後、機能改良によって5月ごろに実現させる計画だ。

 加えて、社外システムとの連携についても対応していく。自社の営業支援システムであるNICE営業物語をkintone上で構築していることから、kintone上のほかのアプリとの連携、URL連携などは現時点で可能。API連携などを行っていくことも検討している。

パーソナル版のデモ
オフィス版のデモ