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三井住友銀行、Azure環境上にチャットボットシステムを開発 行内の照会応答業務を効率化

 株式会社三井住友銀行は23日、日本マイクロソフト株式会社と共同で、Microsoft Azure上で動作する対話型自動応答システム(以下、チャットボット)を開発したと発表した。2017年8月から、行内の照会応答業務で活用開始している。

 このチャットボットは、利用者からの照会に対し、AIが自然な対話形式で回答を返すことにより、利用者の生産性向上をサポートするシステム。

 従来、AIの活用では、学習に必要なデータ準備や、運用段階での新たな知識の登録など、人手による教育が必須だったほか、学習データが足りない場合は、システムの利用開始時点では期待する精度が出ないという点も課題とされていた。

 これに対し、三井住友銀行と日本マイクロソフトが共同開発したシステムでは、AI自身が学習データを生成し自己学習することにより、学習データ生成にかかる労力の軽減と、システムの利用開始時点でも精度の高いAIの構築を実現している。

 さらに運用開始後も、AIが管理者に対して新たな知識登録を示唆する機能を開発したことで、AIの継続的な学習を効率的かつ短時間で行えるようになった。

 なお、これらの機能は、三井住友銀行と日本マイクロソフトが共同で特許出願しているとのこと。

 三井住友銀行では2017年8月から、行内システム環境に関する行内照会窓口としてチャットボットを導入しているが、チャットボットによる自己解決率は90%を超えているとのこと。また2017年12月には人事関連の規程・手続き照会窓口にも導入し、照会応答業務のさらなる迅速化、効率化をサポートしている。

チャットボット利用画面

 こうした同行での効果を受け、三井住友フィナンシャルグループは、順次、グループ各社への展開を図る考え。現在は第1弾として、SMBC日興証券株式会社で社内システム関連の社内照会窓口として、またSMBCコンシューマーファイナンス株式会社では顧客からの問い合わせ窓口として、導入に向けたシステム開発が進められている。