ニュース

NEC、シンガポール政府とのセキュリティ実証実験を完了

顔認証や映像解析技術を用いた不審人物検知、入場手続きの効率化などを実現

 日本電気株式会社(以下、NEC)は17日、シンガポールの主要な工業地域であるジュロン島とその近隣エリアで進めてきた、3つのセキュリティ実証実験を完了したと発表した。

 実証実験は、シンガポール内務省と経済開発庁が推進する「Safety and Security Industry Programme(SSIP) 2020」プロジェクトの一環として、2016年9月から実施。シンガポールの産業・都市開発事業者であるJTCコーポレーションの協力のもと行った。

 実験では、NECの顔認証技術と、防犯カメラやマイクから得られる映像・音声情報を解析する独自のシステムを組み合わせることで、不審な行動や要注意人物などを早期に発見する仕組みを構築。また、立ち入り制限エリアであるジュロン島に入場するバスの乗降口や窓などにセンサーを取り付け、島外に設けられた実証実験用の検問所からジュロン島内への移動中に、乗降口や窓の不正な開閉がないかをモニタリングする。

 さらに、自動車でのジュロン島への入場手続きを効率化するため、NECの生体認証技術を用いた専用端末を試験的に導入。実証実験用の検問所に設置された端末を入場者が車内から操作し、本人確認書類と顔・指紋情報を読み込むことで、自動車から降りることなく入場手続きを完了する。

 これらの実証実験により、NECの生体認証技術や映像解析技術などを用いることで、不審な行動や要注意人物の早期検知、立ち入り制限エリアへの入場手続きの効率化などが可能になることが確認できたという。

 NECでは、成長戦略の柱の一つとしてセーフティ事業を強化しており、今回の実証実験で得られた成果を活かし、シンガポールの安全・安心に一層貢献していくとともに、グローバルなセーフティ事業の強化に役立てていくとしている。