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国内エンタープライズインフラ市場予測、全体は縮小傾向もクラウド向けインフラが成長~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は13日、ITインフラストラクチャの構成要素のうち、サーバー、エンタープライズストレージシステム、およびデータセンター向けネットワーク機器を包括した、国内エンタープライズインフラストラクチャ市場の2017年~2021年の予測を発表した。

 2017年の国内エンタープライズインフラストラクチャ市場の支出額は、前年比0.9%減の7213億900万円になると予測。2016年~2021年の年間平均成長率はマイナス0.8%で、2021年の市場規模は6987億7300万円になるとしている。

 同市場のうち、国内クラウドインフラストラクチャ市場(クラウド型配備モデル)については、2017年の市場規模が前年比16.2%増の1974億4800万円、2016年~2021年の年間平均成長率は7.4%で、2021年には2431億600万円になると予測。国内トラディショナルインフラストラクチャ市場(非クラウド型配備モデル)は、2017年の市場規模が前年比6.1%減の5238億6100万円、年間平均成長率はマイナス4.0%で、2021年には4556億6700万円になると予測している。

国内エンタープライズインフラストラクチャ市場 支出額予測、2016年~2021年(出典:IDC Japan)

 国内クラウドインフラストラクチャ市場については、クラウド化されていないトラディショナルITからの需要シフトに加えて、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みによる新規需要によってプラス成長を持続。ビッグデータ、IoTやコグニティブ/AIシステムなどといったイノベーションアクセラレーターを活用したDXの実現に注力する企業が国内において増加し、こうした動きが活発化することでITの用途が広がり、新規需要が創出されるとしている。

 IDC Japanエンタープライズインフラストラクチャのグループマネージャーである福冨 里志氏は、「エンタープライズインフラストラクチャベンダーは、IT活用による新規ビジネスの創出を目指す顧客とのエンゲージメントを深め、DXへの取り組みを支援し、さらに活発化させることを求められている」と分析している。