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クラウディアン、エッジコンピューティングを実現する「CLOUDIAN AI Box」

 クラウディアン株式会社は12日、エッジコンピューティングを実現するデバイス「CLOUDIAN AI Box」を開発したと発表した。

 AI処理を効率的に行うには、ネットワークカメラなどの端末から集めたデータをクラウド側で集中的に処理するだけでなく、エッジ側に強力な演算能力を持たせて、データの処理や判断を行う「エッジAIコンピューティング」が適しているとされている。

 AI Boxは、こうしたエッジコンピューティングを実現するためのデバイスで、NVIDIA PascalアーキテクチャのGPUを備えた「NVIDIA Jetson TX2組み込みモジュール」を内蔵しており、ある程度の処理をボックス内で行えるようにしている。

 またLTE/Wi-Fi通信機能と、無線LANアクセスポイントなどへEthernetケーブル経由で給電を行えるPoE給電機能を搭載。固定回線を手配することなく、分析結果数値、認識部分画像、映像・画像全体の3つから目的にあったデータだけを選び、クラウディアンのオブジェクトストレージ製品「CLOUDIAN HYPERSTORE」へ送信・保存することもできる。

 クラウディアンでは、4Kカメラなどの高解像度映像を使ってAI処理する場合でも、分析結果の数値だけを送信することで、ネットワークの負荷を大きく軽減できるとアピール。一方で、AI学習用画像の収集が必要な場合には、フレームレートを下げたり、閑散時に送信したりといったことも可能とした。

 筐体は、防水/防塵/落雷対策が施された全天候向けと、屋内用の2つを用意する。

 なおクラウディアンは、AI Boxを利用するAIソフトウェア開発企業を広く募集したい考えで、AI Boxを用いて、AIをエッジコンピューティング側でリアルタイム処理しながら、同時に分析結果や学習用データをデータセンター側に持続的に集め、そのデータをHYPERSTOREに大量保存したうえでGPUサーバーによってバッチ処理するといった、シンプルかつ経済的なAIシステム基盤として、広く利活用されることを目指す。