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サイレックス、5GHz帯のDFS監視・回避技術を搭載した無線LANアクセスポイント「AP-511AC」

AP-511AC

 サイレックス・テクノロジー株式会社(以下、サイレックス)は27日、5GHz帯の無線LAN利用時において気象・航空レーダー波を検知した際に、瞬時に別チャンネルに移動するDFS監視・回避技術を搭載した無線LANアクセスポイント「AP-511AC」を、12月11日から出荷開始すると発表した。

 現在、日本で利用可能な5GHz の周波数帯は、W52と呼ばれるチャンネル36~48の屋内利用専用帯域と、気象レーダーや航空レーダーなどが優先されるW53/W56と呼ばれるチャンネル52~64、100~140のDFS(Dynamic Frequency Selection、動的周波数選択機能)を必要とする帯域がある。

 DFS帯域では、無線LAN通信を利用する前にレーダー波が無いことを1分間確認してから通信を開始する必要があり、レーダー波を検知した場合には直ちに当該チャンネルの利用を停止した上で別チャンネルに移動し、新しいチャンネルで1分間レーダー波が検知されないことを確認してから通信を開始することが電波法で義務付けられている。

 サイレックスでは、IoT化の進展に伴いIPトラフィックが急増する中、「切れない無線」を実現するためには、DFS帯域を含めた無線帯域の有効活用が喫緊の課題になっていると説明。この課題を解決するため、AP-511ACには無線LAN通信から独立した監視機構を用いて常時レーダー波を監視する機構を搭載しており、レーダー波が検知されてもシームレスに別チャンネルに移動することで、無線LANサービスを維持できる。

 AP-511ACの標準価格は6万9800円(税別)。無線LAN規格はIEEE 802.11ac/a/n(5GHz帯)、IEEE 802.11b/g/n(2.4GHz帯)に対応。有線LANは1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応×2ポートで、PoE受電(IEEE 802.3af)にも対応する。最大接続数は2.4GHz帯、5GHz帯とも100台ずつ(暗号方式がTKIPやAUTOの場合は50台ずつ)。

 AP-511ACは、空港や港湾などレーダー波の影響を受けやすい市場へのテスト導入が進んでおり、5GHz帯の通信混雑を回避するために有効なソリューションとして、工場・病院といった切れない無線を必要とする市場への展開拡大が期待されるとしている。

 また、12月13日~15日に東京ビッグサイトで開催される「SEMICON JAPAN」の村田機械ブースで、製品のデモ展示を予定。サイレックスでは、AP-511ACをDFSチャンネル帯域監視・回避技術のショーケース製品と位置付け、産業・医療分野への拡販を進めるとともに、国内の機器メーカーに対して関連技術のOEM提供も順次展開していくとしている。