ニュース

2016年の国内クラウドセキュリティ市場規模は80億円、2021年には208億円に~IDC Japan調査

国内クラウドセキュリティ市場、機能セグメント別 売上額予測、2015年~2021年(出典:IDC Japan)

 IDC Japan株式会社は23日、国内クラウドセキュリティ市場の予測を発表した。2016年の国内クラウドセキュリティ市場規模(売上額ベース)は前年比21.1%増の80億円で、同市場の2016年~2021年の年間平均成長率は20.9%、2021年には208億円に拡大すると予測している。

 IDC Japanでは、パブリッククラウド環境へのセキュリティ対策製品市場を国内クラウドセキュリティ市場と定義し、クラウドシングルサインオン、クラウドセキュリティゲートウェイ、その他クラウドセキュリティの3つの機能セグメントに分類し、市場規模算出と市場予測を行っている。

 国内クラウドセキュリティ市場については、パブリッククラウドやモバイルデバイスの利活用が進展し、ITリソースがパブリッククラウド上に展開されるケースが増加することから、パブリッククラウド上のITリソースを保護する目的としてクラウドシングルサインオンやマルウェア対策への需要が引続き高く、市場を牽引していくと分析している。

 また、オンプレミスの業務システムとパブリッククラウドサービスが共存するハイブリッド環境が広がることで、ITリソースの活用状況を集中的に監視、管理するクラウドセキュリティゲートウェイをハブとして、オンプレミスの業務システムやクラウドサービスを利用させるクラウドセキュリティゲートウェイへのニーズが高まることが予想されるとしている。

 さらに、企業が許可していないパブリッククラウドサービスやモバイルデバイスなどの「シャドーIT」の利用により、マルウェア感染や情報漏えいのセキュリティリスクが高まると指摘。パブリッククラウド上に展開されるITリソースへのアクセスコントロールやユーザーの挙動分析、アプリケーションの稼働監視などのパブリッククラウド環境へのクラウドセキュリティソリューションが有効だとしている。

 IDC Japanソフトウェア&セキュリティのリサーチマネージャーである登坂恒夫誌は、「クラウド上のウェブサイトは、エンタープライズアプリケーションやユーザー側システムとのシステム間連携の中核となるため、DDoS攻撃やウェブアプリケーションの脆弱性を狙ったサイバー攻撃によってウェブサイトがセキュリティ侵害を受けた場合は、重大インシデントとなる。セキュリティベンダーは、クラウド上のウェブサイトへの防御ソリューションの導入を訴求させるべきである」と述べている。