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ISIDと日本マイクロソフト、セブン銀行の新サービス「スマホアプリによる海外送金」の基盤をMicrosoft Azureで構築

 株式会社電通国際情報サービス(以下、ISID)は11日、日本マイクロソフト株式会社と連携し、株式会社セブン銀行のサービス開発基盤を、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」で構築し、同基盤上で開発されたスマホアプリによる海外送金サービスが8月3日から稼働したと発表した。

 セブン銀行では、より利便性の高いサービスの提供が金融機関に求められている状況を受け、独自の新サービスの提供に向けた取り組みの一環として、より柔軟なサービスの立ち上げを可能とするシステムの開発基盤構築について検討を進め、クラウドプラットフォームとしてMicrosoft Azureを、構築パートナーとしてISIDをそれぞれ採用した。

 今回、セブン銀行は、海外送金の中でもニーズの高いフィリピン向けの送金を、いつでも簡単にスマホアプリから行うことができる新サービスを開始した。セブン銀行では従来から提携先の仕組みを通じてATMやインターネットバンキングでの海外送金サービスを提供しているが、新たな開発基盤上でサービスのシステム開発を行うことにより、利便性の高いサービスをより低コストで提供することが可能になったとしている。

 サービスでは、スマートフォンアプリや外部サービスから呼び出す海外送金や振込のAPIと、海外送金提携先へのデータ連携機能をMicrosoft Azure上に構築。これにより、セブン銀行が提携する外部サービスや送金先などの提携先金融機関が拡大した際にも、これらの機能を活用したデータ連携を容易に実現できる。

 また、Microsoft AzureのPaaS機能を活用し、サービス開発期間の短期化と、運用負荷の軽減を実現。たとえば、Azure API Managementを活用することで、複数あるAPIの振り分けや権限管理を一括で行うことができ、新たなAPIを開発する際にも煩雑な管理機能の開発を行う必要がなく、設定のみでAPIの管理を開始できる。

 さらに、開発支援機能であるVisual Studio Team Servicesを利用し、開発の形態や規模に合わせた柔軟な構成管理や、Microsoft Azure上の本番環境や開発環境へのシームレスな連携を行うことができるという。

 ISIDでは、2014年にセブン銀行のインターネットバンキングシステムをプライベートクラウド上に構築しており、その実績が評価され、本基盤の構築パートナーとして採用された。今回、すでに実績のあるインターネットバンキングシステムの顧客情報の管理機能や、システム監視機能などとパブリッククラウドのセキュリティ基準において評価の高いMicrosoft Azureを活用したハイブリッド構成とすることで、基盤の構築期間を短縮しつつ、高いセキュリティレベルを担保した堅牢な環境を構築したとしている。

 また、今秋に提供を開始する、セブン銀行口座と外部サービスをAPI連携で接続して、接続したサービスからの振込指示を即時に実行するリアルタイム振込機能についても、今回構築した基盤上での開発を進めており、今後の活用についても検討を進めると説明。ISIDと日本マイクロソフトでは、今後も金融機関の課題解決をテクノロジーで支援することにより、顧客に向けた新規サービスの早期提供と、それに伴う安定した収益モデルの確立に貢献していくとしている。