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SOMPOホールディングス、グループ専用のAI工場「エッジAIセンター」を構築

 SOMPOホールディングス株式会社とSOMPOシステムズ株式会社は29日、グループ各社で収集したデータをリアルタイムに解析し、瞬時に経営に生かすためのAI工場「エッジAIセンター」を、保険業界で初めて構築したと発表した。

 AIサーバーを集積させるハウジングスペースおよび、データ集約に活用するAmazon Web Services(AWS)とAIセンターを接続する閉域ネットワークの構築は、東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)が担当した。

 SOMPOホールディングスでは、ビッグデータの蓄積によりディープラーニングをはじめとする機械学習を中核としたAI技術でデータを解析し、実ビジネスに活用する動きが広がっているが、収集されるデータの増加やデータ解析に必要とされるリソースの増加に対応するためのシステムやネットワークアーキテクチャが求められていると説明。

 こうした背景を受け、SOMPOホールディングスグループにおけるデータプラットフォーム構築の一環として、データ集約機能をAWSに構築し、そこで収集したデータをリアルタイム解析するAIセンターを、ネットワーク負荷や遅延を抑えたNTT東日本が提供するデータセンター内に構築した。

 AIセンターは、SOMPOホールディングスグループ各社の事業領域に特化したデータセットを使った学習モデルを構築、蓄積し、グループ全体で活用するための「学習工場」の役割も果たすと説明。また、AIセンター上で提供するAIシステムの第一弾として、独自のディープラーニング技術を実装したAIシステムを2017年夏より運用開始し、業務の自動化やサービス品質の向上を実現するとしている。

 AIセンターのインフラストラクチャは、NVIDIAのGPUが搭載され、ディープラーニング処理向けに最適化されたIBMのAI専用サーバーで構築される。

 SOMPOホールディングスグループでは、今回構築した基盤を活用することで、コールセンターにおけるAI活用などの業務効率化、自動車走行データや健康関連データなどにAIを活用した新サービスの創出および新たなビジネスモデルの構築を目指す。

 また、現在オンプレミスで実施しているネットワーク負担の大きい大容量データ解析や、低遅延が求められるデータ処理については、NTT東日本のネットワークと、各地に広がるデータセンターおよび通信ビルを活用してサーバーを集約し、最適配置を図ることで、コスト削減と品質向上の実現も同時に目指すとしている。