ニュース
2016年の国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション市場は約2500億円規模、IDC Japan調査
2017年5月29日 15:49
IDC Japan株式会社は29日、国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション(UC&C)市場について、2016年の同市場の分析と2017年~2021年の市場予測を発表した。
IDC Japanでは、ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション(UC&C)市場を、「IPテレフォニー市場」「コラボレーティブアプリケーション市場」「IPコンファレンスシステム市場」「IPコンタクトセンター市場」の4つのソリューション市場に分類し、それぞれの市場について市場分析と市場予測を行った。
2016年の国内UC&C市場規模については、前年比2.9%増の2502億円9400万円と推計。2016年は、2015年までの企業の音声インフラリプレイス需要が一巡したことで、IPテレフォニー市場がマイナス成長となり成長率が鈍化したが、コラボレーティブアプリケーション市場、IPコンファレンスシステム市場でのクラウド成長により、市場全体では前年比プラス成長を維持した。一方、IPコンタクトセンターシステム市場は、大型案件の検討長期化によって成長が鈍化した。
2017年の国内UC&C市場は、2016年の市場拡大要因であった、コラボレーティブアプリケーション/IPコンファレンスシステム市場の高成長の反動を予測し、前年比成長率2.6%増と、2016年並みの成長を予測する。
IDC Japanでは、2017年以降の同市場はラグビーワールドカップ東京大会や東京オリンピック/パラリンピックに向けた音声基盤再構築や、インバウンド顧客サポートへの投資、ウェブ会議などのコラボレーティブアプリケーションのクラウドシフト(SaaS型サービス)が一層進むことで、2016年~2021年の年間平均成長率は2.4%で成長し、2021年には2818億1500万円の規模になると予測している。
2019年~2020年の上記国内イベント向け先行投資として、2018年~2019年の同市場は3%以上の成長を予測しているが、2020年~2021年はオリンピック開催後に一時利用クラウドサービスの解約や先行投資の反動により、成長率が急速に鈍化すると予測している。
IDC Japanグループディレクターの眞鍋敬氏は、「ベンダー/システムインテグレーター/通信事業者を含むITサプライヤーは、UC&C機能のクラウド提供をパートナーとともにいっそう進めること、および東京オリンピック/パラリンピックに向けた『UC&C+コグニティブ/AI』のソリューションを検討するべきである」と分析している。