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IDCF、「白河データセンター」に新棟を増設、ビッグデータ処理基盤の強化と外販用途に

白河データセンター5号棟完成予想図

 ヤフー株式会社傘下の株式会社IDCフロンティア(以下、IDCF)は27日、福島県白河市の環境対応型大規模データセンター「白河データセンター」に、新しく5号棟を建設すると発表した。建設規模は1棟約1400ラック規模。3月1日に着工し、2018年3月末の竣工を予定する。

 白河データセンターは、ヤフーグループで保有する東日本地域最大の拠点で、ヤフー専用棟と、クラウドサービスやハウジングサービスなどの外販向け棟で構成されている。需要の変化に迅速かつ柔軟に対応するため、需要に応じて棟の建設を行うモジュール方式を採用し、将来は8棟までの増設が可能となっている。

 新棟となる5号棟は、ヤフーと、IDCFのクラウドサービスおよび外販での利用を予定。今後見込まれるデータの格納や処理量の増大、およびクラウドの利用拡大に伴い、ヤフーが保有するマルチビッグデータを活用するための処理基盤強化や、IDCFのディープラーニング向けGPUコンピューティングなど、高性能なクラウド基盤の増強を目的としている。

 5号棟では白河の冷涼な気候を生かし、サーバーから出る排熱を冷やすために、建屋への直接外気導入と水冷空調を組み合わせたシステムを採用する。空気の循環が1層で完結するシンプルな設計と建築一体型の空調システムとすることで、年間のPUEは設計値で約1.2となる高い冷却効率と、建築コストおよび空調電力の抑制を見込んでいる。

 また、ヤフーでは、福島県から約2万1300平方メートルの近隣用地を2016年11月に新たに購入し、8号棟以降の増設にも備える。これにより、拠点全体の敷地面積合計は約6万7600平方メートルとなる。